るりか:『トラペジウム』は今の若い世代の人たちの等身大を描いていて、すごいリアルでした。それに『エースをねらえ!』とか、昭和ネタも出てくるのがツボ。アイドルを目指す4人の美少女がそれぞれ個性的で、キャラクターの書き分けがすばらしいと思いました。
高山:ありがとうございます。今、連載を一冊の本にまとめる作業をしているんですけど、連載の最初の頃の文は読みづらいなって思って。書き始めた頃って、知っている言葉をひけらかしたいという気持ちがあったんでしょうね(苦笑)。
◆「味覚」が母親とシンクロしてきました!
高山:『さよなら、田中さん』にはすごく個性的なお母さんが出てくるけど、るりかちゃんのお母さんはあんな感じ?
るりか:よく言われるんですけど、全然違うんですよ(笑い)。学校の帰り道で偶然見かけた、工事現場で働いていた女性がモデル。その人のポケットからはみ出ていた携帯のストラップに子供の写真が貼ってあって。「この女性は子供がいるから、こんな大変な仕事でも頑張れるんだ」って考えたんです。私のお母さんと似ているのは「お餅好き」なところぐらいです(笑い)。
高山:そうなんだぁ~。是非その工事現場の女性に本を読んでほしいね。
るりか:私のお母さんは専業主婦で、本が大好き。お互い読んだ本の感想を言い合ったり、おもしろかった本を教えあったり。最近読んだ本は立原正秋さんの随筆集『雪中花』なんですが、これもお母さんが「文章がすごくきれいだから」と教えてくれました。
高山:うらやましい~。素敵なご家庭ですね。私の母は腰が低すぎるというか、電話で相手に見えていないのに頭を下げちゃうような人。娘から見ても心配な母です。昔から「お母ちゃん」という雰囲気の“しっかりした母親”に憧れていたけど、ウチの母は「一実からいろいろなことを教えてもらって、お母さん嬉しいよ」とか言っちゃう。本に関しても私が読んでおもしろかった本を「お母さん、これ読んでみていい? 読み終わったら貸してね」みたいな(苦笑)。
るりか:ウチは本だけじゃなくて、一緒にニュースや新聞記事を見て、事件について「この後はどうなったんだろうね」と話し合います。最近だと北朝鮮と韓国の首脳会談のニュースについていろいろ意見を言い合ったりしました。
高山:ウチはないなぁ~。私はディベート大好きなんだけど、母とはくだらない話ばかり。実家で飼ってる愛犬のチョコ(トイプードル)が最近仲よくしている犬の話とか(笑い)。
──乃木坂46の新曲は『シンクロニシティ』。昔から母と娘は一卵性双生児のようにシンクロする部分が多いといわれていますが、おふたりはどうですか?