婚活に詳しい中央大学文学部教授の山田昌弘さんは、「出会い系アプリとお見合いは役割が似ている」と言う。
「今は職場や地域社会の変化によって昔のような結婚が難しくなり、本気で結婚を目指すタイプと、結婚はあきらめて恋愛を楽しむタイプに二極化しています。本気で結婚を望む人たちは、結婚前提の人が集う出会い系アプリを使って相手探しをします。
LINEなどの普及で人間関係が面倒になるなか、出会い系アプリで自分に適した条件を探せば、手軽かつ効率的に結婚相手を選ぶことができて、外れも少ない。出会い系アプリは昔の“お見合いおばさん”のような役割を果たしているのです」
都内在住の浅井由美さん(仮名・30才)は、出会い系アプリ「Omiai」で知り合った2才年上の男性と初デート中に、互いの趣味や結婚観などを話し合った。初対面から2週間後に結婚を意識した交際をスタートし、1年後にゴールインした。
結婚の決め手となったのは、「料理」だった。
「私も彼も『いいね!』をするポイントになったのは『料理が好き』ということです。結婚後、一緒に暮らすことを考えたら、趣味や食事の好みが一致することはとても大切。私たちは共働きなので時間がある方が料理を担当して、結婚生活は独身時代より楽になりました。マッチングの最初の段階から結婚生活を想定したことが成功の秘訣です」(浅井さん)
出会い系アプリはこれからの恋愛のかたちを変えていくと前出・結婚コンサルタントの澤口さんが指摘する。
「これからはアプリで出会って結婚するのが当たり前になるでしょう。圧倒的に出会いの数が増えて、“この人がダメでも次”と思えるようになります。合コンで出会った異性をいいなと思っても2人きりに持ち込むのはハードルが高いですが、アプリなら自分の条件に合った人と最初から1対1で会えるから、効率がすごくいい。出会い系はネガティブなニュースばかり報じられますが、その何千倍、何万倍も幸せになった人がいることも知ってほしい」
また、親世代にとってはこの先、子供たちの「判断能力」を養うことが重要になる。
「出会いがネットだろうがリアルだろうが関係なく、その出会いが自分にとって本当にプラスになるかどうかを判断する能力が重要になります。 親としては今後、どういう相手とどういう交際をしたらいいのかを、自分で判断できる子供を育てることが大切です」(安倍さん)
※女性セブン2018年5月24日号