第2回戦は、カラオケの持ち歌対決。6分間のカラオケで男性陣をアゲアゲにする技術を争う。そこで、勝ち残った3組が最終決戦へと進む。決勝は再び12分間の競技コンパ。第1回戦と唯一異なるのは、相手がマイケル富岡を筆頭にした芸能人チームとなること。
そこで躍動したのが、のちに優勝チームとなるあやまんJAPAN軍団。他のチームが芸能人相手ということもあり硬くなるなか、抜群の動きを披露。12分間のコンパを1分たりとも無駄にしない。流動的かつ淀みなくこなす。いや、もうコンパという次元ではない。言ってしまえば、主演あやまん監督、助演あやまん軍団、客演男性陣による12分間のコントだ。全チーム中、あやまんJAPAN軍団だけが第3者の視点を考え、魅せるコンパを展開。定番ネタ「ポイポイ ポイポイポ ポイポイポピ~♪」があるのも強い。これを見るだけで、ありがたい!という気持ちにさせる。コンパ芸という裏芸で、芸能界を席巻しただけはある。それを全て仕切りるのがあやまん監督。その凄さは、ビートたけし以来となる自らの名前を付けた軍団を作りあげた女傑と書けば分かっていただけるだろう。
対戦がすすむにつれ、コンパ相手の男性陣を瞬時に見極めることが盛り上げのコツだと気づいた。各対戦の勝敗は審査員による採点と、合コン相手の男子たちからの採点の合計点で争われるため、見て面白いだけでなく、一緒にコンパをして楽しくなければ評価されないからだ。コンパ相手が女性に不慣れな童貞軍団の場合でも同様。そこで性体験にまつわるあけすけなトークをすれば、童貞の機嫌を損ねる。この見極めで見誤ったのが、六本木1000人喰い軍団。
彼女たちは、初戦敗退した際のコメントで「(コンパ相手の)アスリート軍団がパリピじゃなかったから、私たちに合わなかったの!」と涙ながらに怒っていた。しかし、パリピがパリピとコンパして盛り上がるなんて当然。コンパをしたことない童貞ですらノリノリにさせちゃうムードを演出するのがパリピのプロではないのか、と僕は思う。ゆえに競技コンパ、“技”が必須なのだ。
『全日本女子パリピ選手権』は、エグい下ネタも多い。見ていて不快になる人もいるだろう。しかし、全てはサービス精神がなす技。人見知りと自称し、無口を正当化する人と違って、パリピは人と真っ正面から対峙する。酒の力ありきとはいえ、そもそも初対面の人間と一緒に盛り上がることは難しい。楽しさをプレゼンするといった意味では競技コンパは、「夜のTED」と例えてもいいだろう。