だが、2017年4月、山健組の織田絆誠副組長(当時)らは山健組を離脱し記者会見を開催。《フタを開けてみたら一向に金銭の吸い上げが止まず》と毎月の会費に加え、年8回の臨時徴収、さらに登録組員1名につき1万円を徴収される《名古屋方式(六代目山口組)の上をゆくような金の吸い上げ》と実態を暴露。第三勢力である任侠山口組を結成したのだ。
中田新体制にとって、会費の減額は緊喫の課題で、組員の更なる離脱を防ぐ現実的な組織防衛策だろう。いまの暴力団抗争は組織の金をめぐる暗闘でもある。
金を握った者が組織を制する。どこを探しても、ヤクザの美学は見つからない。
●取材・文/鈴木智彦(フリーライター)
※週刊ポスト2018年6月8日号