ビジネス

2分に1個売れるエコバック “あるもの”が発想のヒントに

大人気のたためるエコバッグ『Shupatto』

 今や2分に1個売れているエコバッグ『Shupatto(シュパット)』シリーズをご存じだろうか。2015年11月の発売以来、「一気にたためるエコバッグ」として売れ続けている商品はどんなアイディアから生まれたのか? 実は、思いもよらない“あるもの”が発想のヒントとなっていた──!

 エコ意識の向上やレジ袋有料化の流れの中ですっかり定着したエコバッグだが、いちいちたたむのが面倒だと感じている人は多い。そこで、生活雑貨メーカーのマーナが「一気にたためる」エコバッグとして開発したのが『Shupatto』シリーズだ。

 特徴は、バッグの両端を引っ張るだけで帯状に収縮し、それをくるっと丸めることで簡単にたたむことができるということ。『Shupatto』という商品名も、引っ張る時の「シュパッ」という心地いい音に由来している。

 従来のエコバッグはレジ袋のように四角い形をしているものや、トートバッグ状で、使わないときは折りたたんで持ち運ぶことが多い。マーナでは、この折りたたむという手間を逆手に取り、最初から折り目をつけて簡単にたためるものを目指した。

 開発の方向性は決まったものの、具体的にどうやって一気にたたませるのかで、開発担当者は頭を悩ませていた。そこで一役買ったのが、開発担当者が自社の物流センターで目にしていた“あるもの”だった。

 それは、検品作業時に衛生管理のためにかぶる不織布の帽子。この帽子は使い捨てで、使用前は蛇腹に折りたたまれ細長い帯状になっている。それを広げると帽子になるのだ。ここから引っ張るだけでたためるという発想のヒントを得た。

 こうして発売された『Shupatto』Mサイズはまたたく間にヒット商品となった。耐荷重が5kgで普段の買い物はもちろん、スポーツジムの着替えや旅行のサブバッグとしても使える。続いて発売したLサイズはレジカゴにかけられるBIGサイズ。週末のまとめ買いにも対応できる。

 また、ポケッタブルサイズはその名の通り、たたむと一辺が約6cmまで小さくなり、ポケットに入れることもできる。小さいが、500mlのペットボトルなら6本も入るサイズで、単身者の毎日の買い物には充分な容量となっている。

『Shupatto』の価格設定は、Mサイズで1980円と、エコバッグとしてはやや高額だが、サブバッグとしての使い勝手やカラーバリエーションでファッション性を打ち出すことで、子育て世代や働き盛りの忙しい女性を中心にヒット。

 さらには「シュパッ」とする技術を応用し、トラベル用のショルダーバッグやリュックサック、ボストンバッグも展開した。荷物の多くなりがちな旅行でも、使わないときにコンパクトに折りたためるサブバッグは重宝されるというわけだ。

※女性セブン2018年6月14日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
香港の魔窟・九龍城砦のリアルな実態とは…?
《香港の魔窟・九龍城砦に住んだ日本人》アヘン密売、老いた売春婦、違法賭博…無法地帯の“ヤバい実態”とは「でも医療は充実、“ブラックジャック”がいっぱいいた」
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)
《「御三家」橋幸夫さん逝去》最後まで愛した荒川区東尾久…体調不良に悩まされながらも参加続けていた“故郷のお祭り”
NEWSポストセブン
麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン