さらに、シニアにとって子供と孫を分ける境界は「他人からの評価があるかないか」と指摘する。
「高齢男性の“生きがい”にとって重要なのは、“他人から評価されること”です。子供の場合はいい学校に入ったり、スポーツや習い事で好成績を収めたら“育て方が良かった”と親が高く評価されますが、接する機会が少ない孫がいくら成功しても祖父が評価されません。だから孫は生きがいになりにくいんです」(三浦氏)
ただ、孫が“生きがい”になるケースもある。Aさん(72)は息子夫婦が共働きのために、同居している小学6年生と2年生の孫の世話に日々忙しい。
「上の子を塾の講習に毎日送り迎えするのと、下の弟の学校から帰ってきた後の世話は私の仕事です。自転車に乗せて下の子を市営プールに連れて行ったりするのですが、小学3年生以下の子供は保護者の付き添いが必要。なので私も一緒にプールに入ります。毎日へとへとで、家に帰った時なんかはもしかしたら現役の時より疲れているかもしれません。
最初は世話を押しつける息子夫婦に苛立ちましたが、忙しい分、おかげで張り合いのある毎日だとは言えるのかな」
孫も一緒にいて楽しいだけの“遊び相手”でなく、責任感ある“保護者”の立場になって“生きがい”になるのかもしれない。
※週刊ポスト2018年6月15日号