外交のプロから見てもトランプ発言は決定的だった。
「トランプ氏が核・ミサイル開発と並んで拉致問題を重視しているなら、金英哲氏との会談で自ら拉致に言及し、本番の首脳会談で前向きな回答を用意しておくように求めてもおかしくなかったが、人権問題には言及さえしなかった。つまり、日本の方針とは逆に、拉致問題は棚上げで、制裁強化は先送りの方向に進んでいるということ。まさに安倍外交は孤立する形になっている」(同前)
北朝鮮は日米の離間に成功したと見るや、「拉致問題はすでに解決された」「過去にわが民族に与えた前代未聞の罪をまず謝罪し、賠償すべきだ」と外交的宣伝攻勢を掛けてきた。
※週刊ポスト2018年6月22日号