◆「書いたのはお前じゃないの?」
集計結果によれば、女性回答者126人のうち、〈社外関係者からセクハラを受けた〉のは43人で34%。〈社内関係者からセクハラを受けた〉のは71人で56%と半数以上にのぼる。
ちなみに独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が25~44歳の女性労働者を対象としたアンケート調査の結果(2016年)によると、セクハラ経験者の割合は28.7%。「社内関係者からのセクハラ」に限っても、テレ朝の女性社員の“被害率”は、世間一般の約2倍といえる。
冒頭に挙げた2例は、実は「社内関係者からのセクハラ被害」に寄せられた被害者の声である。
他にも〈家に誘われる〉〈社内での過度なボディタッチ〉〈しつこいメール〉〈恋愛や異性関係を聞かれる〉〈容姿のことについて人前で笑いにされる〉などといった声が寄せられ、妊娠や育児休暇に対する暴言、いわゆる「マタハラ」があったとの訴えも記されていた。別の40代男性社員がいう。
「調査報告にハラスメントをした側の名前は書かれていませんが、身に覚えのある男性社員は多いはず。『これは俺のことでは……』と動揺していた社員は少なくないし、『あれを書いたのはお前じゃないのか?』と女性部下に探りを入れていた管理職もいた」
ちなみに、「社外関係者からのセクハラ被害」も深刻で、〈官舎に入るように言われる〉〈取材先から体を触られたりしたが、重要局面で情報を得ねばならず我慢する〉などの声が掲載されていた。