芸能

三遊亭圓丈 復活した「実験落語」で73歳の新作ネタ下ろし

三遊亭圓丈の魅力は?

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、73歳にして新作ネタ下ろしをした三遊亭圓丈について解説する。

 * * *
 5月1日、渋谷CBGKシブゲキ!!で「実験落語neo~10回目のシブヤ炎上~」を観た。1978年から1987年まで三遊亭圓丈が行なっていた新作落語の会「実験落語」の復活、との触れ込みで2016年6月に始まったのがこの「実験落語neo」で、レギュラー制ではなく圓丈以外の出演者は流動的。圓丈が3年ぶりにネタ下ろしをするのが今回の目玉で、他に昔昔亭桃太郎、春風亭百栄、春風亭一之輔、桂三度らが出演。

 トップバッターは元ピン芸人の世界のナベアツ、2011年に桂三枝(現・六代目文枝)に入門した桂三度。演じた『心と心』はコンビニ強盗ネタのドタバタで、内容は他愛ないが、上方落語の「小拍子を叩いて場面転換を表現する」という手法をテーマにしているところがミソ。

 二番手の百栄は、二ツ目の春風亭栄助(百栄の前名)が、後輩の一之輔の代演で久々に出してもらった上野鈴本で、耳元で囁く新作の悪魔と古典のお遣い姫に振り回されて「新作か古典か」とネタ選びに迷う『天使と悪魔』。何度聴いても新鮮に笑える百栄の代表作だ。自分が新作に手を染めるきっかけを作った男を呪って叫ぶ「畜生、三遊亭圓丈め!」、新作の悪魔が栄助に浴びせる「鈴本のお席亭は春風亭は春風亭でも一之輔に夢中なんだよ!」といった台詞は今日ここで聴くと一層可笑しい。

 続いては桃太郎が師匠の春風亭柳昇から受け継いだ『カラオケ病院』。「ルイジアナ・ママ」の熱唱では楽屋から出演者が総出で踊りまくる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

女優・遠野なぎこ(45)の自宅マンションで身元不明の遺体が見つかってから2週間が経とうとしている(Instagram/ブログより)
《遠野なぎこ宅で遺体発見》“特殊清掃のリアル”を専門家が明かす 自宅はエアコンがついておらず、昼間は40℃近くに…「熱中症で死亡した場合は大変です」
NEWSポストセブン
俳優やMCなど幅広い活躍をみせる松下奈緒
《相葉雅紀がトイレに入っていたら“ゴンゴンゴン”…》松下奈緒、共演者たちが明かした意外な素顔 MC、俳優として幅広い活躍ぶり、174cmの高身長も“強み”に
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン