スーグラには、「ケトアシドーシス」という耳慣れない副作用も追加された。
「血液中の糖が利用できなくなり、体内の脂肪がエネルギーに利用されて、めまいや倦怠感などが生じます。重度の場合は意識障害や昏睡を引き起こすこともあります」(堀氏)
脱水、ケトアシドーシスとも危険な副作用である。
脳卒中・心筋梗塞の治療薬では「イグザレルト」に「血小板減少」が加わった。
「血小板減少が生じると血液が固まりにくく、血が止まらなくなる。鼻血が出たり、皮膚に内出血ができることもあります」(堀氏)
血が止まりにくくなる薬だけに、他の薬との飲み合わせにも気をつけたい。
「痛み止め薬を服用すると、腎機能が低下する。薬の成分が腎臓から適切に排出されず、脳内出血などのリスクが高まる」(堀氏)
胃潰瘍薬の「プロマック」には、「銅欠乏症」が追加された。
「プロマックが含有する亜鉛によって、同じ吸収過程を持つ銅の吸収が阻害される怖れがあります。銅が欠乏すると貧血を起こすことがあります」(堀氏)
過度に怖れる必要はないが、服薬にはこうした「意外な副作用」を伴うことを自覚しよう。
※週刊ポスト2018年7月6日号