本誌・週刊ポストは、国内の売上高上位100薬品(2016年度決算・日刊薬業調べ)と、高齢者の使用頻度が高い薬のうち、この4年間で副作用が「追加」された薬54種類をリストアップした(関連記事〈副作用が新たに見つかった有名薬、54種類全実名リスト〉参照)。「有名薬」の新たな副作用を紹介する。
◆心筋梗塞に意識障害
処方薬の場合、薬局で渡される薬の説明書に、すべての副作用の説明は記載されていない。追加された副作用を確認するには、PMDAのホームページで最新の医薬品添付文書の改訂情報を閲覧する必要がある。
高血圧の治療薬(降圧剤)である「アイミクス」(2016年度の医薬品国内売上高で88位)は、添付文書の「重大な副作用」の欄に、「無顆粒球症」が追加された。医薬情報研究所の取締役で薬剤師の堀美智子氏が解説する。
「白血球の働きが弱まり、感染症にかかりやすくなる。発熱や食欲不振などかぜのような症状が特徴です」
高血圧と並ぶ生活習慣病の代表、糖尿病の治療薬・SGLT2阻害剤でトップシェア(2017年12月時点)の「スーグラ」は、重大な副作用として「脱水」が追加された。
「この薬には血液中の糖を尿中に排出するため尿量が多くなり、脱水症状になりやすい。脱水すると血液が粘着性を帯び、心筋梗塞やせん妄など意識障害が出ることがあります」(堀氏)