『女政治家の通信簿』発刊を記念してトークショーが開かれた


古谷:そうです。男性議員に対しても、ルックスが有権者の一つの判断基準になっています。前原誠司さんだって、彼が初めて民主党代表になったとき、民主党のジャニーズ系と言われていたのを皆さん覚えていますか。

 ルックスにまったく関係ない職業は漫画家ぐらいです。漫画家は、自分の本の自画像を猫いていたり、ペンの絵にしたり。多くの方は、『ドラゴンボール』は知っていても、鳥山明先生の顔は浮かびませんよね。

舛添:それでも売り上げに関係ないのは、彼らは絵や物語の構成力で判断されているからでしょう。

古谷:漫画の市場はそれだけ成熟している。本来は、政治だってそうあるべきなのは僕もわかっている。政策や政治力をもって測られるべきです。

舛添:でも、現実問題そうなっていない、と。

古谷:そうなんです。そこから逃げちゃうと、僕は嘘をついていることになると思ったんですね。だって僕の中にもあるんですから。本当はルックスで判断するべきではないと思っていますよ。でも、“ルックスで見るなんてけしからん”と言っているあなたには、そういう考えはまったくないんですかと言ったら、きっとそんなことはない。

 だから、僕はルックスについて本の中では多少なりとも言及した。もちろん、そういう基準はなくなってほしいという、ちょっと皮肉も込めているのは読めば分かると思いますが。

※『女政治家の通信簿』刊行記念トークショー(6月13日、八重洲ブックセンター)より。

【プロフィール】
◆ふるや・つねひら/1982年、札幌市生まれ。文筆家。日本ペンクラブ正会員。立命館大学文学部史学科(日本史)卒業。インターネット、ネット右翼、若者論などを中心に言論活動を展開。近著に小説『愛国奴』、『女政治家の通信簿』。

◆ますぞえ・よういち/1948年福岡県北九州市生まれ。1971年東京大学法学部政治学科卒業。2001年参議院議員(自民党)に初当選し、厚生労働大臣等を歴任。2014年2月、都知事就任。2016年6月、辞任。近著に『都知事失格』。

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