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2018.07.06 07:00  SAPIO

大前研一氏「カジノは斜陽産業。経済活性化はあり得ない」

大前研一氏


 カジノ売り上げ世界一のマカオも2014年以降は年間売り上げの対前年比マイナスが続き、昨年ようやく4年ぶりに対前年比プラスの約3兆7000億円になったが、その額はピークだった2013年の約5兆円を25%も下回っている。

 6月の米朝首脳会談の際に北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長も訪れたIRの「マリーナ・ベイ・サンズ(MBS)」と「リゾート・ワールド・セントーサ(RWS)」があるシンガポールも、2015年以降は売り上げが伸び悩んでいる。

 堅調に成長しているのはアメリカのラスベガスだが、ここはもう「売春とギャンブルの街」ではない。1990年代にテーマパーク型ホテルとコンベンション施設を整備してボクシングなどのスポーツイベント、シルク・ドゥ・ソレイユ、人気歌手のコンサートなどを誘致し、カジノ中心のビジネスから展示会・見本市や国際会議、そしてファミリー・デスティネーション(家族旅行の目的地)に路線を転換した。

 その背景となったのは、ニューヨークやボストンなどの冬が寒い北東部で働いていた人たちがリタイア後、年中温暖なラスベガスに続々と移り住むようになったことである。彼らが子供や孫、友人たちに遊びに来てもらうためには、売春とギャンブルの街というイメージを払拭し、エンターテインメントやショッピングが楽しめる健全な街にシフトしなければならなかったのだ。結果、ホテルや街全体がテーマパークの中にいるような「非日常」を提供することで、アメリカ全土はもとより世界中から観光客を呼び込むことに成功したのである。

 振り返れば、1999年にマカオがポルトガルから中国に返還された後、2002年に中国政府がカジノライセンスを外国資本にも開放し、マカオにラスベガス系を中心に豪華なカジノホテルが相次ぎ開業した。その後、ラスベガスはマカオにカジノ売り上げ世界一の座を奪われたが、カジノ以外のショーやイベント、飲食、ショッピング、宿泊でしっかり稼いでいる。

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