収益構造を見ると、マカオは収益の65%をカジノが占め、ショー・イベント、飲食・ショッピング、宿泊がそれぞれ10%。一方、ラスベガスはカジノは40%でしかなく、ショー・イベントが30%、飲食・ショッピング、宿泊がそれぞれ15%だ。
つまり、カジノを売り物にした日本のIRは、今や世界では時代遅れなのだ。それも1周ではなく2周以上遅れている。にもかかわらずIR実施法案が衆議院で可決されたのは、日本進出を目論むカジノ運営会社ラスベガス・サンズのシェルドン・アデルソン会長が有力支援者であるトランプ米大統領の要望に、安倍首相がおもねり、その利権に政治家が群がっているだけの話である。
※SAPIO2018年7・8月号