納得しないスタッフのうち4人が今年6月、神戸地裁に「労働審判手続申立書」を提出した。直接雇用者の美知子社主を相手に“不当解雇”を訴えるものだが、事実上、後見人に向けられた申し立てといっていい。
「私たちは、これまで社主の病状を進めないように献身的に介護し、社主も私たちを可愛がってくれた。突然のクビを社主に報告すると、『なんで? なんで?』と、大粒の涙を流された。そして今では、音楽やビデオの鑑賞を止め、外に連れ出すこともない。しかも、今後は人工呼吸器を付けることも考えていると聞きます。そんな“生かされる状態”が本当に社主の希望なのかを問いたい」(原告となったスタッフ)
そうしたスタッフに理解を示したのが、社主の親族である。朝日新聞の社長、大阪代表、両後見人などに宛て、「解雇は村山美知子本人の希望に反していると親族一同、思慮しております」という「申入書」を提出している。
◆後見人は“朝日側”
村山家に詳しい朝日新聞関係者は、こう見立てる。
「吉田医師は、朝日新聞大阪本社内の診療所長を務める(企業に雇用された)産業医です。また藤木税理士は、朝日新聞が村山家対策を考える際の通称『3人委員会』のメンバー。『見守り』は、社主の健康維持を最優先にした措置なのでしょう」