モニターでモヤモヤ血管が減少したのを確認し、カテーテルを抜く。その後、1時間程度安静にして帰宅できる。
例えば、重症の五十肩の場合は手首に局所麻酔を行ない、内側にある動脈からカテーテルを肩に向かって伸びている6本の血管に挿入。その周囲にモヤモヤ血管が生じているので、6か所に薬剤を放出して治療する。治療時間は1時間程度かかる。
「重症の五十肩の患者さんは寝るときに痛みを感じるため、うまく睡眠につけないのがつらいと訴えます。この治療をすると1週間程度で就寝の痛みから解放され、遅くとも1~2か月で肩を動かす際の痛みも軽減します。ほとんどの患者さんが1回の治療で、つらい慢性痛から解放されます」(奥野院長)
ヘルニアでも狭窄症でもない、原因不明の腰痛を抱える人も多い。その場合は椎間関節や仙腸関節、あるいは骨盤や筋肉の表面などに近い血管までカテーテルを挿入して治療する。肩も腰も自費診療で、治療場所にもよるが1回20万円程度だ。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2018年7月20・27日号