芸能

NHKで俳優3人の“金田一リレー” ファン心をくすぐる演出も

今度は吉岡秀隆が金田一耕助を熱演(公式HPより)

 またしても名探偵・金田一耕助がNHKでドラマ化! NHK BSプレミアムで池松壮亮(28才)、長谷川博己(41才)に続いて、吉岡秀隆(47才)が演じることになった。ファン心をくすぐる演出と、“吉岡版金田一”の見どころについてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 7月28日、NHK BSプレミアムで放送される『悪魔が来りて笛を吹く』は、昭和を代表する推理作家・横溝正史が生み出した名探偵・金田一耕助を吉岡秀隆が演じることで話題になっている。
 
 今回の物語の発端は、戦後まもなく、東京の有名宝石店で起きた毒殺事件の犯人と疑われた旧華族椿英輔(益岡徹)が「これ以上の屈辱に耐えられない」「悪魔が来りて笛を吹く」と遺書に書き遺して自殺。椿の娘・美禰子(志田未来)の依頼を受けた金田一が調査を始める。すると椿家で奇怪な連続殺人事件が勃発。英輔の自殺は本当なのか、悪魔とは誰なのか。やがて金田一は、旧華族のおどろおどろしい秘密にたどり着く…。

 ただでさえ、困ったような顔が多い吉岡が、密室殺人や血まみれ事件を目の当たりにして、どんどん顔が暗くなる。そして、クライマックスでは絞り出すような声で「すべてを知る覚悟がおありなんですね」と語るのだ。

 それにしても、このところのNHKの「横溝正史」熱はすごい。一昨年、BSプレミアムには同時期にふたりの金田一耕助が登場。『スーパープレミアム 獄門島』の長谷川博己と『シリーズ横溝正史短編集 金田一耕助登場!』の池松壮亮である。

 同局で同じ人物をふたりの俳優が演じることも珍しいが、驚いたことに同じ金田一のはずなのにキャラはまったく別。『獄門島』の“長谷川金田一”は推理に行き詰まると、ボサボサ頭をかきむしり、歯をむいて怒り、宿泊する寺の屏風を蹴っ飛ばす困った男。さらに金田一は、突如「あははははは」とあざけ笑いながら、犯人が絶望する新事実を突きつける。ショックのあまり犯人は息絶えてしまうのである。なんてことを。

 一方、CMやPVなどで活躍する新進気鋭のクリエイターが創った池松壮亮の金田一は、直径60cmはあろうかという巨大なもじゃもじゃ頭に史上もっともよれよれの復員服や着物の金田一だったが、それが「汚な可愛い」とファンの間で評判に。「黒蘭姫」「殺人鬼」「百日紅の下にて」と難事件を連続3日、しかも30分の持ち時間で解決したあたりは、さすがに若い金田一ってことだと思う。

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