キタサンブラック効果なのかブラックタイド産駒が1億4000万円の値をつけたり、まだ日本では実績のないアメリカンファラオの牡馬が2500万円のスタートから小刻みに上がりながら1億8000万円にまでなったりした。キングカメハメハやハーツクライに加え、さらに若い世代のロードカナロアやジャスタウェイもコンスタントに高額で落札された。
セレクトセールの楽しみといえば、なんといっても当歳市場。今年生まれたばかりのまだ乳離れすらしていない子馬が200頭以上、2日目の早朝から展示され馬主たちのチェックを受けたうえでセリにかけられる。
注目の新種牡馬はやはり2015年のクラシック2冠馬ドゥラメンテ。1億8000万円でセリ落とされた「アイムユアーズの2018」は、曾祖母がエアグルーヴの母という良血。つまり牝系のブラックタイプにも「ドゥラメンテ」の名前が登場する珍しい血統だ。
いっぽう、日本と香港のGIを計7勝もしたモーリスの初年度産駒では「ラスティングソングの2018」が、1億7000万円で落札された。その他リオンディーズ、ミッキーアイル、エイシンヒカリ産駒なども上場。その真価が問われるのは2年後以降だが、新たな時代に入る予感を感じさせた2日間だった。
●レポート/東田和美
※週刊ポスト2018年8月3日号