“ベイスターズ・ステーション”とされる3駅は、ベイスターズファンがスタジアムに来場する際にもっとも利用する駅、いわば玄関駅でもある。

 3駅ともに試合開催日にはベイスターズファンで埋め尽くされるが、そもそも駅構内の壁面や床面にベイスターズのロゴなどをあしらわれており、試合のない日でもベイスターズ気分を高揚させてくれる。

 とりわけ、ベイスターズ一色に染められているのがJR京浜東北・根岸線の関内駅だ。

 関内駅はホームの壁や床にもベイスターズの装飾が施されているのはもちろんのこと、発車メロディにもベイスターズの球団歌「熱き星たちよ」が使用されている。また、駅舎ファザードにはベイスターズのヘルメットがあしらわれており、電車を降りた直後からベイスターズファンのボルテージが最高潮に達する仕掛けがなされている。関内駅のベイスターズ装飾について、JR東日本横浜支社広報室担当者はこう話す。

「関内駅の壁面や床面をベイスターズ装飾にしたのは、2013年からです。ホームや壁面といった駅構内だけではなく、南口の外観もベイスターズ色を前面に打ち出しました。これらはJR東日本と横浜DeNAベイスターズが協力して始めた事業で、期間限定のものもありますが、年を経るごとに装飾は増えています」

 2018年6月からは、試合開始の約2時間前から約1時間程度の時間限定で、ベイスターズの選手や監督の音声による構内アナウンス放送を開始。駆け込み乗車の注意など、乗車マナーの遵守を呼び掛ける。

 こうしたDeNAの取り組みにより、ベイスターズ主催試合の観客動員数は年々増加。2017年シーズンは、過去最多となる197万9446人を記録した。

 過去最多の観客を動員できた背景には、ベイスターズがペナントレースで3位となり、クライマックスシリーズを勝ち抜いて日本シリーズ進出を決めた奮闘も一因にあるだろう。しかし、それ以上にファンのハートをがっちりつかむ仕掛けをつくった球団スタッフの不断の努力が大きい。

 ベイスターズと同様に、東北楽天イーグルスなども“ボールパーク化”に取り組んでいるが、ベイスターズのボールパーク化は12球団の中でも群を抜いている。

 鉄道会社がプロ野球チームを持つトレンドは下火になって久しいが、横浜DeNAベイスターズが示した可能性によって、鉄道会社とプロ野球チームの新しい関係が構築されようとしている。

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