「競技開始時間の変更に加えて、暑さ対策として植樹して日陰を作ったり、アスファルトにクール舗装をしたり、ミストシャワーを設置したりすることが挙げられていますが、いずれも観客には関係ありません。かなりの人が熱中症で倒れ、運悪く亡くなられる方も出てくる可能性があります」(同前)
大会組織委の森喜朗会長は、日刊スポーツ(7月24日付)のインタビューで暑さ対策について「想像上ではなく今、現実にある。実際に試すため、生かさない手はない」「ある意味、五輪関係者にとってはチャンス」と猛暑が日本人選手に利するというポジティブすぎる考えを語った。
しかし、もはや日本の選手が勝てるかどうかの問題ではない。さらに猛暑五輪の被害を受けるのは人間だけではない。馬術競技には馬も“出場”する。
7月24日に行なわれた世界遺産・闘鶏神社(和歌山県田辺市)の「田辺祭」では、神輿などを引く馬の4頭中1頭が熱中症をおこし、交代する一幕があった。
日本馬術連盟の広報担当者は「馬が暑さに強くないのは事実です。暑さよりも寒さに強い動物ですから」という。そこで、組織委員会に馬の暑さ対策について訊いた。