国内

B29に二度も体当たりして撃墜 米兵が恐れた板垣政雄軍曹

1万mという高高度を飛ぶB29には、日本の戦闘機は届かなかった AP/AFLO

「超空の要塞」と呼ばれ、日本本土爆撃を行ったアメリカの爆撃機B29。その搭乗員たちが何より恐れた日本軍パイロットたちがいた。ジャーナリストの井上和彦氏が奇跡の生還を果たした軍曹の証言をもとにレポートする。

 * * *
 日本本土空襲にやってきた米軍B29爆撃機に対して二度も体当たり攻撃を敢行し、奇跡の生還を果たした空の英雄がいた。

 板垣政雄軍曹(のちに加藤に改姓)である。

 昭和16年9月に東京陸軍航空学校を修了後、大刀洗陸軍飛行学校と台湾で戦闘機操縦教育を受けた板垣氏は、昭和19年2月に調布基地(東京)の飛行第244戦隊に配属された。

 主な任務は、40機の三式戦闘機「飛燕」をもって帝都に来襲する米軍爆撃機B29を迎え撃つ防空戦闘であった。

 だがB29は高度1万mを飛来するため、その迎撃は難しくパイロットには高度な技倆が求められた。そこで日本陸軍が編み出した戦術の一つが、極限まで軽量化した戦闘機による“体当たり攻撃”だった。板垣軍曹が述懐する。

「我々が邀撃(迎撃)に上がったんですが、高度7000~8000mぐらいまでしか上がれませんでした。B29は1万mの高高度で飛んできますから、まったく届かなかったんです」

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン