国内

米軍と沖縄ゲリラ戦を行った秘密の少年兵部隊「護郷隊」の葛藤

米軍の戦車や機関銃、火炎放射器に立ち向かった AP/AFLO

 上陸した米軍と、日本軍・沖縄県民が直接対峙した沖縄戦で、ゲリラ戦や諜報活動を担った少年兵ばかりの秘密の部隊があった。戦後、多くを語ることのなかった元少年兵らに取材し、著書にまとめたジャーナリストの宮本雅史氏が、隠された真実を語る。

 * * *
「護郷隊」その名を聞いてピンとくる人はほとんどいないだろう。それもそのはず、その存在は沖縄の人にすらあまり知られていなかったのだから。

 護郷隊は太平洋戦争末期の昭和19年(1944年)に、沖縄北部で組織された遊撃隊(ゲリラ部隊)である。第一と第二の部隊からなり、総勢約1000名。そのほとんどが15~18歳までの少年兵だった。ゲリラ戦を専門とする少年兵の部隊は日本軍史上類を見ない。

 彼らの存在がほとんど知られてこなかったのはその出自による。護郷隊は、大本営陸軍部直轄で、ゲリラ戦、防諜や諜報、宣伝などの特殊任務要員を養成する陸軍中野学校の出身者たちが指揮した秘密部隊だったのだ。

 護郷隊が組織されたのは沖縄に置かれた約10万の沖縄守備隊「第三十二軍」の管理下である。大本営は、昭和19年7月のサイパン島の陥落をきっかけに、米軍の北上に備え、パプアニューギニアとフィリピンにゲリラ部隊である「第一遊撃隊」と「第二遊撃隊」を組織した。さらに沖縄戦に備えて故郷を護る部隊として第三遊撃隊(第一護郷隊)、第四遊撃隊(第二護郷隊)を組織した。

関連記事

トピックス

金メダリスト萩野公介の離婚の真相に関係するであろう一文字
【萩野公介・離婚の真相】スピリチュアルな話が増えてmiwaとの夫婦生活に区切り、LINEプロフィールが“漢字一文字”に変わり周囲びっくり
女性セブン
神戸大学のバドミントン同好会「A(仮名)」 迷惑行為が問題になっている
《障子にパンチ、天井に胴上げアタック》神戸大学のバドミントン同好会が旅館を破壊か 大学側は「事実関係を調査中」
NEWSポストセブン
大谷の母・加代子さん(左)と妻・真美子さん(右)
《大谷翔平を魅了》結婚相手・真美子さんの手料理は「お店のようなクオリティ」母・加代子さんの想いを受け継ぐ「温かな食卓の原風景」
NEWSポストセブン
ドジャースの公式Xより
ドジャース山本由伸が韓国遠征で「ジャージー×400万円バーキン」ファッション、なぜ野球選手は“ブランド好き”? かつては「ヴィトン×金ネックレス」が定番
NEWSポストセブン
税務職員たちの“カネにまつわる不祥事”が次々と明らかになった
【情報公開請求】税務署職員の懲戒処分144件を調査 カネに関する不祥事が続々「虚偽の確定申告」「不正受給」「勤務中FX15000回」で処分も
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)と妻の田中真美子さん(レッドウェーブ公式サイトより)
大谷翔平の結婚相手・田中真美子さん、抜群の好感度でメディア出演待望論 モデル、キャスター、インフルエンサーなど幅広い分野での存在感に注目
NEWSポストセブン
活動は今年10月で一区切り“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(84)
《右耳聴覚も失っていた》“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(84)が語った「活動は今年10月で一区切り」と「叶えたい夢」
NEWSポストセブン
3月5日に「ガスト」店内と思われる場所で撮影された”調味料一気飲み”の動画が拡散された
《ガストで調味料一気飲み》迷惑動画を撮影・SNS拡散の3人がついに全員謝罪も運営会社は「厳正な対処」を継続方針
NEWSポストセブン
大谷翔平(Getty Images)と妻の田中真美子さん(レッドウェーブ公式サイトより)
【彼女はめっちゃ甘え上手】大谷翔平の結婚相手・田中真美子さん、大学同窓生が明かす素顔「チャラ男は好きじゃない」
NEWSポストセブン
羽生と並んで写真に収まる末延さん(写真はSNSより)
【全文公開】羽生結弦のアイスショーとバイオリニスト元妻のディナーショー、公演日程が丸かぶり 「なぜ同じ日に?」と関係者困惑
女性セブン
元横綱・白鵬の周りでは様々なトラブルが…
元白鵬・宮城野親方に関する「暴行告発状」“白鵬米”販売会で写真撮影をめぐるトラブル「取り巻きが市議にヘッドロック」証言
週刊ポスト
話題になっているジャッキー・チェンの近影(微博より)
《ジャッキー・チェンの現在》今年70歳になる大スターの近影に中華圏で驚きの声あがる「ちょっと急に老けすぎでは」
NEWSポストセブン