◆工業社会型システムの改革も不可欠

 組織もまた「工業社会仕様」のままだ。特に大企業や伝統的な企業では中間管理職の比率が高く、組織の階層数も多い。いっときグループ制の導入や組織のフラット化(階層の削減)が図られたが、思ったほど浸透しない。それどころか、いろいろな理由をつけて元に戻す動きもあるくらいだ。その影響で、現場や第一線で働く人たちへの権限委譲も進んでいない。

 また、あいかわらず集団主義で個人の仕事の分担や権限・責任が不明確である。そのため仕事の効率化や成果向上のモチベーションが生まれにくいし、テレワークや副業容認の障害にもなっている。

 さらに終身雇用を前提にした雇用制度の限界もある。周知のようにアメリカや中国などでは、情報・ソフト系企業を中心に転職や独立・起業が普通に行われており、それが経済の発展と社会の活力の源泉となっている。

 わが国でも最近は若年層を中心に転職や独立に対する抵抗感が薄れており、実際に雇用が流動化する兆しもある。問題は転職や独立を後押しする、少なくともそれが不利にならないような社会的システムづくりが遅れていることである。法律や税、社会保障などの制度改革は喫緊の課題である。

「働き方改革」は労働時間を減らし休暇を増やすことばかりに目がいきがちだが、それを可能にするためにも、生産性向上への本格的な取り組みが必要だということを忘れてはいけない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン