ビジネス

介護の「臭い対策」クリーナー、開発の裏に義父のおむつ衝撃体験

『switele〈スイトル〉』「除菌水」のサンプル付き1万9224円(シリウス)

 排泄物の汚れやにおいは多くの自宅介護者の悩みの種。特にじゅうたんなど簡単に洗えない場所に汚れがつくと、拭いてもにおいが残るのだ。

 こんな状況を解決すべく開発されたのが“水洗いクリーナーヘッド”『switele〈スイトル〉』。

 家のキャニスター型掃除機(吸込み仕事率170W以上)に取り付けると、ヘッドの先から水を噴射して汚れを浮かせ、同時にその汚水を素早く吸い取るというもの。拭くだけでは取れない汚れやにおいが、洗濯したようにさっぱり落ちる。普通は水気厳禁の掃除機だが、特許技術の逆噴射ターボファンで汚水は本体タンクにだけ流れ、掃除機には流れ込まないしくみだ。

 この技術を開発したのは広島県福山市在住の川本栄一さん。発端は約30年前、まさに義父の介護に苦闘する妻の姿に「何とかしてやりたい」という思いが募ってのことだった。

「義父は認知症でおむつもしていました。便秘が命取りになるため軟便剤を使っていたのですが、おむつの中が不快なのか、自分でおむつの中に手を入れて家中を汚してしまうのです。衝撃的な光景でした。その処理に追われる義姉と妻を見ながら、“家中を洗濯機で洗えたら…”と思ったのがきっかけです」

 当時、サラリーマンだった川本さんは構想を抱きながら義父を見送り、早期退職して本格的に開発に着手。メーカーの目に留まり、時は超高齢社会の世に。そして昨年、満を持しての発売となった。

「時を経ても介護家族の悩みは変わりませんね。少しでも介護するかたがたの助けになればうれしいです」(川本さん)

※女性セブン2018年9月6日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

常盤貴子が明かす「芝居」と「暮らし」の幸福
【常盤貴子インタビュー】50代のテーマは「即興力」 心の声に正直に、お芝居でも日々の暮らしでも軽やかに生きる自分でありたい
週刊ポスト
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
ホストにハマったAさんが告白する“1000万円シャンパンタワーの悪夢”「ホテルの部屋で殴る蹴るに加え、首を絞められ、髪の毛を抜かれ…」《深刻化する売掛トラブル》
NEWSポストセブン
西武・源田壮亮の不倫騒動から5カ月(左・時事通信フォト、右・Instagramより)
《西武源田と銀座クラブ女性の不倫報道から5か月》SNSが完全停止、妻・衛藤美彩が下していた決断…ベルーナドームで起きていた異変
NEWSポストセブン
大谷夫妻の第1子誕生から1ヶ月(AFP=時事)
《母乳かミルクか論争》大谷翔平の妻・真美子さんが直面か 日本よりも過敏なロスの根強い“母乳信仰”
NEWSポストセブン
麻薬の「運び屋」として利用されていたネコが保護された(時事通信フォト)
“麻薬を運ぶネコ” 刑務所の塀の上で保護 胴体にマリファナとコカインが巻きつけられ…囚人に“差し入れ”するところだった《中米・コスタリカ》
NEWSポストセブン
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
〈ちゅーしたら魔法かかるかも?〉被害女性が告白する有名ホストクラブの“恐ろしい色恋営業”【行政処分の対象となった悪質ホストの手練手管とは】
NEWSポストセブン
公務のたびにファッションが注目される雅子さま(撮影/JMPA)
《ジャケットから着物まで》皇后雅子さまのすべての装いに“雅子さまらしさ“がある理由  「ブルー」や小物使い、パンツルックに見るファッションセンス
NEWSポストセブン
小室圭さんと眞子さん(2025年5月)
《英才教育》小室眞子さんと小室圭さん、コネチカット州背景に“2人だけの力で”子どもを育てる覚悟
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
【ステーキの焼き方に一家言】産後の小室眞子さんを支えるパパ・小室圭さんの“自慢の手料理”とは 「20年以上お弁当手作り」母・佳代さんの“食育”の影響
NEWSポストセブン
不正駐輪を取り締まるビジネスが(CPGのHPより)
《不正駐輪車を勝手にロック》罰金請求をするビジネスに弁護士は「法的根拠が不明確」と指摘…運営会社は「適正な基準を元に決定」と主張
NEWSポストセブン
「子供のころの夢はスーパーマンだった」前田投手(時事通信フォト)
《ワンオペ育児と旦那の世話に限界を…》米国残留の前田健太投手、別居中の元女子アナ妻が明かした“日本での新生活”
NEWSポストセブン
眞子さんと佳子さま(時事通信フォト)
《眞子さん出産発表の裏に“里帰りせず”の深い溝》秋篠宮夫妻と眞子さんをつないだ“佳子さんの姉妹愛”
NEWSポストセブン