芸能

キートン山田 長寿アニメにおける声優の高齢化について語る

”キートン節”は今やおなじみ

 第1次アニメブームで声優界を牽引し、その後、人気アニメ『ちびまる子ちゃん』のナレーションでおなじみとなったキートン山田さん(72才)。8月15日、亡くなった『ちびまる子ちゃん』の原作者・さくらももこさん(享年53)については、インタビュー前編で話してくれたが、今回はベテラン声優ならではの演技の工夫、声優の“高齢化問題”、そして31才年下の妻(41才)との結婚生活について語った。

――なぜ声優を目指したんでしょうか?

キートン:もともとは舞台か映画の方向に行きたいと思っていて、劇団に通いながらバイトをしていたんです。そんな時、日本で初めて声優専門のプロダクションを作るという柴田秀勝さんに出会って、「これからは声を使う分野が増えていくから」と、この業界に入れていただきました。アニメやゲームのみならず、今や家電にまで声が使われる時代でしょ。その通りになったわけです。もちろん、当時はそんなことまで想像できなかったけど。

 実際に声優をやってみたら難しくてね。その頃は声優学校や養成所がないから、先輩を見て学ぶしかない。先輩が先生でした。そうやっているうちに、声優が本職になってしまった。

――影響を受けた先輩は?

キートン:『ちびまる子ちゃん』でまる子の祖父をされた富山敬さん、『サザエさん』の波平をされた永井一郎さんとか、いっぱいいるんだけど、残念ながら亡くなられている方が多くて。現役の方なら、恩人の柴田秀勝さん。おかげで青二プロダクションに入って、声優の道が開けたわけだから。『ドラゴンボール』の孫悟空で知られる野沢雅子さんも尊敬しています。
 
――長寿アニメを中心に、声優の高齢化が進んでいますね。

キートン:ぼくが声優の仕事を始めた24、5才の時には、10才くらい上の人たちがメインでやっていました。それから40年以上たっているわけですから、いたし方ないですよね。

――高齢と言っても、やはりベテラン声優には、演技に深みがあります。

キートン:幸せだったなと思うのは、ぼくが若手の頃、先輩は昭和の始めを生きてきた人たちだったこと。いろんな人生経験がある戦前生まれの先輩たちを現場で見て勉強できました。同じ子供を演じていても、今の30代40代が演じる子供と、ぼくが見てきた先輩たちが演じる子供では、演技の深さが違う。豊かになって食べることに苦労したことがない、着るものにも困らない、便利な世の中に生まれた人に要求するのは難しいのかな。

 厳しいことを言う先輩もいたけど、それが成長に繋がりますから。今はそういう大先輩がいないところで、若い人たちだけの作品が増えたりしているようだから、学べる機会が減ったんでしょうね。

――歴史ある役柄を若い声優さんがバトンタッチしてやると最初はどうしても違和感があることが多いです。

関連記事

トピックス

岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン