ビジネス

ハミガキの会社がバイク用ブレーキで名を轟かせられる理由

サンスターと「8耐」の関係は?((c)ヨシムラジャパン)

 CMでよく目にする看板商品からは想像もつかないような有名企業のサイドビジネスがある。たとえば、サンスターといえばハミガキ、ハブラシが有名だが、実はオートバイ用のブレーキ部品でもその名を轟かせている。

 なかでもプロライダーからの評価は高く、今年7月29日に開かれた国内最大のオートバイレース「鈴鹿8耐」決勝では、64チーム中13チーム(前日開催の鈴鹿4耐含む)が同社製のブレーキディスクやスプロケット(歯車)を採用していた。

 なぜハミガキなどのオーラルケア用品が主力のサンスターがバイク用品まで手がけるのか。それは同社の原点に大きく関わっている。

 実は同社は1932年に自転車の金属部品やパンク修理用ゴム糊の製造販売で創業。やがて創業者がゴム糊を入れていた金属チューブに練りハミガキを入れることを思いつき、1946年に「サンスター歯磨」として発売すると瞬く間にヒット。いまやサンスターグループの全世界の売上高約1500億円のうち、オーラルケアは53%を占める主力事業となっている。

 一方、原点だった自転車の金属部品は、より事業拡大が望めそうなバイク用金属部品の事業へとシフト。

「主にブレーキディスクとスプロケットを二輪メーカー向けに販売していて、世界トップクラスのシェアです。新たにレース用ブレーキパッドも販売開始しており、今年の鈴鹿8耐・4耐でも4チームに採用されました」(広報部)

 同社の多角化は抜かりがなく、もうひとつの起源だった自転車用ゴム糊は1960年代から自動車と建築分野に進出。現在では自動車組み立て用接着剤として日本車メーカー向けに広く採用され、近年は欧米車メーカーにも販売を拡大。建築用シーリング材でも国内市場でトップクラスのシェアを持ち、グループ売上高の26%を支えているという。

※週刊ポスト2018年10月5日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン