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ホンダのジェット機製造 創業者の夢を現実にした技術屋魂

エンジンの位置が特徴的(時事通信フォト ホンダ提供)

 革新的な技術とデザインの自動車・バイクで世界を唸らせてきたホンダが、もうひとつの市場として開拓してきたのが「空」だ。

 創業者の故・本田宗一郎氏が航空機への参入を宣言した1962年から半世紀余──。本田技研工業の子会社「ホンダ・エアクラフト・カンパニー」の小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」が世界を席巻している。2017年、同機は小型ビジネスジェット機(乗客10人未満)納入機数で世界首位に。2018年も上期実績でトップとなり、6月からは日本での受注(予約)もスタートした。

 米国を中心に高い評価を得ている理由は、徹底した「ユーザー目線」だ。キャビンの静謐性・スペースが十分に確保され、ライバル社と比較しても居住性に優れている。

 燃費、最高速度、航続距離も、小型ジェット機クラスで最高水準。それを可能にしているのが、両主翼上面にエンジンを配置するユニークなデザインである。この特徴的なシルエットは、早くも世界の富裕層の間で「ホンダ」のトレードマークとなっている。

 機体の価格は5億8000万円程度になると見込まれている。庶民には夢の乗り物でも、世界の富裕層からは「コストパフォーマンスに優れている」と判断されている。

※週刊ポスト2018年10月5日号

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