マーケットとしては右肩上がりの成長曲線を描いていることもあって、冷凍食品市場への新規参入も増えている。
「無印良品」でライフスタイル提案をしてきた良品計画は、この28日から冷凍食品の販売に乗り出した。しかも惣菜や主食などの5カテゴリーで「ごぼうと九条ねぎのきんぴら 柚子風味」、「五穀米ごはんの鮭おにぎり」など50品を一気に投入。当面は越谷レイクタウンやグランフロント大阪など4店舗とネットストアでの販売となるが、その後も有楽町店などの大型店を中心に展開する予定となっている。
昨年、フランスから上陸した高級冷凍食品専門店「ピカール」は青山、麻布十番、中目黒、自由が丘、広尾など情報感度の高い町に次々と出店。500~1000円あたりが中心価格帯という高級志向だが、「仔牛のホワイトシチュー バターライス添え」や「サーモンとリコッタチーズのパスタ」といった洒落たメニューアイテムが揃う。
実は冷凍食品への消費支出が最後に前年割れとなった2008年は、年始早々中国製冷凍ギョーザによる食中毒事件が発覚した年だ。以来、右肩上がりの成長を続けてきたことを考えると、日本における冷凍食品市場は数少ない成長産業とも言える。さらに言えば、冷凍食品市場の充実は、加速する高齢化社会と深刻化する介護環境を支える、わずかばかりの福音なのかもしれない。