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橘玲×中川淳一郎 ウェブへの希望が幻滅へと変わるまで

◆ネットのコメント欄は悪意の吹き溜まりになる

橘:2006年の体験はどんなものだったのですか?

中川:アメーバニュースというニュースサイトの編集を始めました。これはネットニュースの先駆け的なサイトといってもいいのですが、開始2日目に、雑誌の感覚で作っちゃったら大炎上しましたね。雑誌だと「今月は○○の日があるから、これに関連したネタを出せばいい」といった特集を作ったりするじゃないですか。

橘:よくありますよね。クリスマスが近いからクリスマスの大特集をやったり、何かが誕生して○周年だからその話題で何ページも作ったりとか。

中川:8月1日がアメーバニュースのオープニングデーだったのですが、ネットニュースというものは破天荒に色々やればいいと思っていたので、開始2日目の8月2日が「パンツの日」ということで、パンツの記事ばかり出したんですよ。スカートめくりばかりするキャラが登場する漫画『まいっちんぐマチコ先生』のえびはら武司先生に取材したりとか、当時流行していたという「パンツハンター」というお遊びの取材をしたりしました。

橘:「パンツハンター」って何ですか?

中川:これを取材したライターによると、植え込みとかに女性がパンツを置いておくんですって。パンツを置いたことをネットの掲示板に書いておくのです。それを書き込んだ女の人はその植え込みをどこからか見ていて、「バカな男達が性欲ムンムンで私のパンツを取りに来てるわ、ウヒヒ」と見て楽しむんだと。

 こうしたパンツにまつわるバカネタばかりを8本、トップページに掲載ところ、「ふざけたサイトだ、これがニュースか!」とコメント欄が炎上して、以後、誰かを罵倒したい人の遊び場になっちゃったんですよ。こんなことを2日目に経験し、編集を開始してから1週間で、「ネットのコメント欄って悪意の吹き溜まりになるんだな……」というのが身にしみてわかりました。だったら後はネット民の生態を研究してやれ、とばかりに彼らの発言等をメモし続け、そこから3年後の『ウェブはバカと暇人のもの』発刊につながるんです。

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