国内

暴力団幹部が明かすカミンスカス容疑者と地面師の仕事

地面師の仕事とは?

 警察の内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た警官の日常や刑事の捜査活動などにおける驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、今まさにメディアを騒がしている積水ハウスの地面師事件についてのインサイダー情報。

 * * *
 東京・西五反田の旅館跡地の取引を巡り、「積水ハウス」が約55億円をだまし取られるという地面師事件が起きた。そこで地面師の手口をよく知る某暴力団幹部に、事件について話を聞いた。

 開口一番、彼の口から出てきたのは、捜査を逃れてフィリピンに出国したカミンスカス容疑者の名前だ。面識があるという。

「小山ってやつはさ、今はカミンスカスだっけ?」

 カミンスカス操容疑者の旧姓は小山だ。

「逃亡する数時間前まで錦糸町で飲んでますよ。店の名前もわかっているが、相当慌ててたんじゃないの。店に行ったら、その時のやつの様子を全部話してくれると思います」

 飲んでいたというカミンスカス容疑者が、急いで出国したのはなぜか?

「12日の金曜日、警察が入ったんですよ。ある偽造屋の所にね」

 カミンスカス容疑者が出国したのは翌13日の土曜日。偽造屋とは、16日に別の詐欺事件で逮捕された三木勝博容疑者だ。

「他の偽造事件で、三木の所に金曜日、捜査が入ってね。やつが任意で引っ張られた。それを知った小山は、これはヤバイと思ったんでしょう。そこで積水のを作らせてたんでね。捜査されれば自分も引っ張られる。騙された、なんて嘘は一切通用しなくなる」

 強制捜査の手が及ぶ前にカミンスカス容疑者が出国したのは、別の偽造事件の捜査が直前にあったからだという。

「2度と日本に帰ってきませんよ、やつは」

 羽田空港で、追跡取材する記者からマイクを向けられたカミンスカス容疑者は、「自分も騙された」と飄々とうそぶいていた。だが内心は、一刻も早く出国したかったに違いない。

 偽造屋の話が出たところで、文書偽造についても聞いてみた。

「偽造も、餅は餅屋なんですよ。印鑑証明でもパスポートでも、それぞれ専門に作成する人間がいる。あいつは何屋さんてね。印鑑証明とか、偽造するのが面倒で難しくなるほど細分化されている」

 それぞれの文書によって偽造専門の人間がいるらしい。

「土地の売買による所有権移転は、基本的に司法書士が行うから、身分証明書などもコピーで大丈夫な場合が多い。だが役場でもらう印鑑証明なんかは、きちんとしたものを作る必要がある」

 今回使われたようなパスポートはどうなのだろう?

「偽造するだけなら、それほど難しくないね」

 幹部は軽い調子で話し始めた。

「パスポートの偽造はやらないが、運転免許証はやっていたよ。パスポートも免許証も偽造するための作業は似たようなものだ。今回のように出入国するため、運転するためではなく、身分証明に使うだけなら、ICチップとか確かなものでなくてもいいわけで。社会保険証の偽造なんて簡単ですよ。大企業ほどね」

 では、登記簿は?

「登記簿はなかなか偽造できないので、これこそ専門のやつらがいる。だが以前は、ちゃんとした法務局の書類を偽造したやつのことを『地面師』といったんです」

 そう語る幹部は真顔になった。彼らの業界では、「地面師」に対して業界なりの定義が存在するらしい。

関連記事

トピックス

大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
メキシコの有名美女インフルエンサーが殺人などの罪で起訴された(Instagramより)
《麻薬カルテルの縄張り争いで婚約者を銃殺か》メキシコの有名美女インフルエンサーを米当局が第一級殺人などの罪で起訴、事件現場で「迷彩服を着て何発も発砲し…」
NEWSポストセブン
「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年11月6日、撮影/JMPA)
「耳の先まで美しい」佳子さま、アースカラーのブラウンジャケットにブルーのワンピ 耳に光るのは「金継ぎ」のイヤリング
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン
「埼玉を日本一の『うどん県』にする会」の会長である永谷晶久さん
《都道府県魅力度ランキングで最下位の悲報!》「埼玉には『うどん』がある」「埼玉のうどんの最大の魅力は、多様性」と“埼玉を日本一の「うどん県」にする会”の会長が断言
NEWSポストセブン
受賞者のうち、一際注目を集めたのがシドニー・スウィーニー(インスタグラムより)
「使用済みのお風呂の水を使った商品を販売」アメリカ人気若手女優(28)、レッドカーペットで“丸出し姿”に賛否集まる 「汚い男子たち」に呼びかける広告で注目
NEWSポストセブン
新関脇・安青錦にインタビュー
【独占告白】ウクライナ出身の新関脇・安青錦、大関昇進に意欲満々「三賞では満足はしていない。全部勝てば優勝できる」 若隆景の取り口を参考にさらなる高みへ
週刊ポスト
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
《出所後の“激痩せ姿”を目撃》芸能活動再開の俳優・新井浩文、仮出所後に明かした“復帰への覚悟”「ウチも性格上、ぱぁーっと言いたいタイプなんですけど」
NEWSポストセブン
”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン