スズキの国内販売は、9月新車市場でも軽自動車で5.7%増と2か月連続でダイハツを抜いて首位を確保し、登録車(小型車以上)で15.8%増と二ケタの伸びを示している。その背景には、スズキの商品開発力が国内の軽自動車だけでなく、A・B・Cセグメントと呼ばれるコンパクトカージャンルでスズキ独自の商品戦略を推進していることにあろう。
軽自動車とコンパクトカーにおける最近のスズキ商品強化の動きとして代表的な例が「スイフト」だ。グローバル戦略においても小型車スイフトが50%以上の販売シェアを確保するインドで主力となり、日本車にうるさい欧州でも高い評価を受けた。
スイフト/スイフトスポーツは、昨年(2017年)のRJC(日本自動車研究者ジャーナリスト会議)カーオブザイヤーを受賞しており、COTY(雑誌媒体主催)日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したボルボの「XC-60」に次ぐ次点となったが内容的にはXC-60以上の評価を受けた。
スズキは、日本とインドを両輪とするグローバル戦略で2030年にはインドでの大増産を主体に世界700万台への壮大な構想を描いている。CASE(ケース)と言われる電動化や自動運転への次世代技術開発においてはトヨタグループとして連携し、商品力で「小さいクルマ」の開発に磨きをかけたい考えだ。
もちろん、製造現場における品質管理やコンプライアンスの徹底は今すぐに取り組むべき課題であるのは言うまでもないが、一連の完成車検査問題を払拭するほどのスズキの勢いは、しばらく続きそうだ。