「帰宅時間もまちまち、私は一人で赤ちゃんを見てるのに、あなたは全然手伝わない! ママ友は旦那さんが土日は見てくれるのに、あなたは土日はゴルフ!」
こんな不満でぶつかり合うことはしばしばだった。ミサがタカシの親にまで「彼が子育てに非協力的で…」などと騒いだ結果、夫はゴルフをやめ、土日は家にいるようになり、週末の“家事スケジュール”まで作って(こういうところがハイスペ思考)実行してくれるようになった。
それでもミサが「私はなかなかストレス発散できないのに、いいよね、平日の夜は飲みに行けて」などと愚痴った結果、夫は平日の夜も早めに帰ってくるようになった。すると彼はどんどん覇気がなくなっていった。そして──。
ある日、ミサが「オムツがない。あと10枚くらいしかないのに、どうして買ってないの」と文句を言ったところ、突然タカシがキレた。
「もうこれ以上、なにを俺に求めるんだ! 稼いで、言うこと聞いて、あとはなんだ」
離婚届を置いて出て行ったという。
ハイスペ男は、並大抵ではない努力と合理的思考で動くから成功していると言える。そこに“そこらへんの女子”の文句をぶつけると崩壊しかねないのだ。
どちらが悪いということではない。これは相性の問題だ。ハイスペ思考を持つ特殊な男たちと平和な家庭を作るのは簡単ではないのだと思う。
◆文/吉川リサコ(港区女子、コラムニスト)