医学の進歩により、「手術できないがん」=「治らないがん」という見方が変わりつつある。それでも「手術を勧めてくる医者」が少なくない背景を、都内の大学病院で勤務経験がある開業医がこう明かす。
「大きな病院ほど、医師の数が多いため手術の実績を重ねることが難しい。そのため、少しでも症例数を重ねるために手術を勧めるケースが多い」
とはいえ、部位や進行度合いによっては手術が第一選択肢となるケースは少なくないため、患者は自分に下された判断が適切かどうかわかりにくい。「がん宣告」をされた際に、手術以外の治療を受けたい場合はどうすればいいのか。
「セカンドオピニオン外来を受診し、別の医師の意見を聞くのが良いでしょう。ポイントは、手術以外の治療法も検討してくれる『腫瘍内科医』を指名すること。最初に受診した病院で『紹介状』を書いてもらう際に、特定の医師宛にしてもらえばセカンドオピニオンの医師を指名することができます」(前出・室井氏)
患者自身が手術のメリットとデメリットを天秤にかけ、納得して受けることが重要だ。
※週刊ポスト2018年11月9日号