こんな法律を推進したのは2014年に設置された自民党森林吸収源対策プロジェクトチーム。座長は林芳正・参院議員(前文科相)、事務局長には木曽地方が地盤の後藤茂之・代議士、事務局長代理は福島選出で実家が材木店の吉野正芳・代議士(前復興相)という顔ぶれで発足した。
実は、森林経営管理法は国民1人あたり1000円が課せられる「森林環境税」(*注)の創設とセットで導入される。林氏と後藤氏は自民党税調の「インナー」と呼ばれる幹部で、税制改正に強い影響力を持つ政治家だ。さらに林氏が農水相(その後、文科相)に転じると、税調副会長の塩谷立・代議士が後任の座長を務めている。
【*注/森林の保全などに充てる税。2018年度の税制改革で創設されることとなり、2024年度から住民税に1000円が上乗せされる】
国民への新税で林道をつくり、国や自治体が私有林を業者に伐採させてもうけさせるスキームだ。
森林経営管理法の閣議決定前日(今年3月5日)、林業関係団体が加盟する一般社団法人・日本林業協会が都内のホテルで自民党議員との“感謝の宴”(懇話会)を開いた。
その様子を報じた同協会機関紙『日本林業』には、林芳正・文科相(当時)と塩谷立・自民党農林・食料戦略調査会長の写真が掲載され、〈日頃のご理解とご協力に謝意を表した〉と書かれている。
※週刊ポスト2018年11月16日号