ライフ

ゴルゴ13の食事シーンが描かれない理由とは

『ゴルゴ13』の食事シーンが描かれない理由とは?(C)さいとう・たかを/さいとう・プロダクション/小学館

 諜報や謀略、紛争などの舞台裏をリアルに描く『ゴルゴ13』。様々なハードミッションにひとりで立ち向かうゴルゴ(通称G)の“強さ”の秘密について、元外務省主任分析官の佐藤優氏は「インテリジェンス能力」にあるとみる。ゴルゴのインテリジェンスとは何か。佐藤氏と、作者さいとう・たかを氏が短期集中連載で「Gのインテリジェンス」を解き明かす。

 * * *
佐藤:『ゴルゴ13』の『夢の国』という作品に、トランプ大統領がモデルと思しき「プラント大統領」が登場しますが、彼がファストフードのハンバーガーをおいしそうに食べているシーンが描かれていました。トランプらしいエピソードだと感心しました。「食」に注目するというのはインテリジェンスの基本です。

さいとう:食事には「人間」が出るからね。そこにあらゆる情報が入っている。だから逆に、ゴルゴの食事シーンはほとんど描かないんです。ゴルゴの情報を明かしてしまうことになりますから。

佐藤:ロシアの日本大使館にいた当時、エリツィン大統領の健康問題は大きな関心事でした。アルコール依存症だったことがわかっていたので、アルコールに口をつけたかどうか注視していました。ある時、首脳会談でステーキが出たのですが、肉を小さく切り刻むばかりで、口に運ばない。付け合わせの野菜ばかり食べている。これを見て、タンパク摂取制限されていることがわかりました。

さいとう:それはかわいそうだ(笑)。私は今日も朝からステーキを食べてきたけどね。いまでも肉さえ食べていれば機嫌がいいんです。その代わり、3日も肉を食べないでいると、頭の中に“肉”がちらついてくる。

佐藤:エリツィンに限らず、世界の主要人物の「食」と「健康」には、世界中のインテリジェンス・オフィサーが目を光らせています。一時期、北朝鮮の金正恩委員長が痛風と痔瘻(じろう)を持っているんじゃないか、と話題になりました。痛風と痔瘻は判断を狂わせる材料になる。たとえばミサイルを撃とうかどうかという時に痛風の発作が出て、カッとなってボタンを押すことはあり得ます。痔瘻だと長時間の会議に耐えられないので、情報が十分に入ってこず、判断を狂わせることがある。シンガポールで行なわれた米朝首脳会談の際、専用のトイレを持参したとニュースになっていましたが、情報機関が彼の健康情報を把握できないようにするためでしょう。彼らは、相手首脳の大便や小便を持って帰ることを日常茶飯でやっています。

関連キーワード

関連記事

トピックス

WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《独特すぎるゴルフスイング写真》“愛すべきNo.1運動音痴”WEST.中間淳太のスイングに“ジャンボリお姉さん”林祐衣が思わず笑顔でスパルタ指導
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
「どうぞ!あなた嘘つきですね」法廷に響いた和久井被告(45)の“ブチギレ罵声”…「同じ目にあわせたい」メッタ刺しにされた25歳被害女性の“元夫”の言葉に示した「まさかの反応」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
遠野なぎこと愛猫の愁くん(インスタグラムより)
《寝室はリビングの奥に…》遠野なぎこが明かしていた「ソファでしか寝られない」「愛猫のためにカーテンを開ける生活」…関係者が明かした救急隊突入時の“愁くんの様子”
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)が犯行の理由としている”メッセージの内容”とはどんなものだったのか──
「『包丁持ってこい、ぶっ殺してやる!』と…」山下市郎容疑者が見せたガールズバー店員・伊藤凛さんへの”激しい憤り“と、“バー出禁事件”「キレて暴れて女の子に暴言」【浜松市2人刺殺】
NEWSポストセブン
目を合わせてラブラブな様子を見せる2人
《おへそが見える私服でデート》元ジャンボリお姉さん・林祐衣がWEST.中間淳太とのデートで見せた「腹筋バキバキスタイル」と、明かしていた「あたたかな家庭への憧れ」
NEWSポストセブン
先場所は東小結で6勝9敗と負け越した高安(時事通信フォト)
先場所6勝9敗の高安は「異例の小結残留」、優勝争いに絡んだ安青錦は「前頭筆頭どまり」…7月場所の“謎すぎる番付”を読み解く
週刊ポスト
アパートで”要注意人物”扱いだった山下市郎容疑者(41)。男が起こした”暴力沙汰”とは──
《オラオラB系服にビッシリ入れ墨 》「『オマエが避けろよ!』と首根っこを…」“トラブルメーカー”だった山下市郎容疑者が起こした“暴力トラブル”【浜松市ガールズバー店員刺殺事件】
NEWSポストセブン
WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《熱愛ツーショット》WEST.中間淳太(37)に“激バズダンスお姉さん”が向けた“恋するさわやか笑顔”「ほぼ同棲状態でもファンを気遣い時間差デート」
NEWSポストセブン
4月は甲斐拓也(左)を評価していた阿部慎之助監督だが…
《巨人・阿部監督を悩ませる正捕手問題》15億円で獲得した甲斐拓也の出番減少、投手陣は相次いで他の捕手への絶賛 達川光男氏は「甲斐は繊細なんですよね」と現状分析
週刊ポスト
事件に巻き込まれた竹内朋香さん(27)の夫が取材に思いを明かした
【独自】「死んだら終わりなんだよ!」「妻が殺される理由なんてない」“両手ナイフ男”に襲われたガールズバー店長・竹内朋香さんの夫が怒りの告白「容疑者と飲んだこともあるよ」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン