さらに“カネ絡み”では、球団や周りのチームメイトからも厳しい視線が向けられる。移籍後にキャリアハイの成績を収めた数少ない選手の1人が、2002年オフにFA宣言して広島から阪神に移った金本知憲氏だが、獲得当時の阪神球団社長・野崎勝義氏は「FAが失敗するときはお金が原因」と断言する。
「金本君の場合、移籍1年目から3番に定着して数字を残して18年ぶりのリーグ優勝に貢献したから、うまくいったんです。金本君のように高い年俸に見合った活躍ができないと、他の選手から不平不満が出てきて、チームが回らなくなる」
マネーゲームが繰り広げられるFA移籍選手の年俸は、どうしても生え抜き選手より割高になる。それが本人を悩ませる“雑音”につながっていくというのである。今年のFA組も、そうした悩みとは無縁ではいられない。
巨人の監督経験者でもある野球評論家の堀内恒夫氏は、巨人が「5年35億円の条件で丸獲得に動いている」という報道を受け、自身のブログ(11月17日付)でこう評している。
〈単純計算して「年俸7億円」/かたやチームのエースである今年の菅野の年俸は推定4.5億円と言われているけれど/丸くんが7億円なら来季の菅野は8億円にしてもらわないと〉
※週刊ポスト2018年12月7日号