「平成」はこの人で始まった(時事通信フォト)

◆自民・社会「まさか」の連立

 38年ぶりの非自民政権の細川内閣は短命に終わる。

 野党・自民党は河野氏、橋本龍太郎氏、石原慎太郎氏の「サンフレッチェ(三本の矢)」を看板に細川首相の政治資金問題、連立に加わった公明党の政教一致問題を追及。次第に細川内閣を追い込んでいく。

 細川退陣後の羽田孜内閣で社会党が連立を離反すると、自民党と社会党が連立交渉を行ない、「安保反対」の社会党左派だった村山富市氏を首相に自社さ連立政権が誕生する。村山氏は就任会見で従来の主張を転換し、「日米安保は堅持する」と表明した。

「国民に政治家の語る『理念』は演技だと白日の下にさらした」(嶋聡・多摩大学客員教授)

 村山首相は1996年1月に退陣を表明。橋本内閣が誕生し、自民党は3年ぶりに政権を奪還する。橋本内閣は中央省庁再編など行革に取り組んだが、消費税率5%への増税後、参院選に大敗して退陣。日本経済に金融危機が深まる中、小渕恵三・首相が登場する。

「アジアや沖縄に対する視線が素晴らしかった。『公』の基本は『私』だという考えもそれまでの首相にはないもので、早世しなければ日本は変わっていたはず」(寺脇研・京都造形芸術大学教授)

 小渕首相は野党案を丸呑みして金融再生に取り組み、自民党を飛び出した小沢自由党に連立を要請。このとき、野中広務・官房長官は「悪魔にひれ伏しても」と政敵の小沢氏に頭を下げた。

「野中氏は自民党を倒した小沢氏を『悪魔』と呼んだが、国会空転は国民のためにならないと手を組んで自公連立をつくった」(政治評論家・木下厚氏)

※週刊ポスト2019年1月1・4日号

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン