ライフ

行きつけのスナックは男性にとって重要な「帰還する」場所

おやじには居場所が必要(イラスト/いぢちひろゆき)

 女性が、男性という“生物”を理解するのはそう簡単なことではない。たとえば、女性が父親を介護することとなった場合、男性の“気持ち”や“生態”を理解できず苦しむこともあるだろう。

 そこで、男性更年期など男性に特化した日本初の「メンズヘルス外来」を立ち上げ、日本の泌尿器科を牽引する、順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学教授である堀江重郎さんに、男性がどんな“生物”なのかを教えてもらった。

「外に行って獲物を捕ってくるのが男のジェンダー。これを担うのが男性ホルモンです」と、堀江さん。男性ホルモンは生殖機能をはじめ、筋肉を増強し、認知力や意欲を高める働きがある。

「獲物を追い、自分を認めてもらい、獲物を仲間に与えることで男性ホルモンは活性化します。狩りは、今の社会でいえば“仕事”ですね。

 引退後、狩り(仕事)をしなくなると男性ホルモンの分泌は減少。すると、意欲と筋力が低下し、いつも家にいる。家族に『お父さん夕飯は何にする?』『何か趣味でも持ったら?』と言われても、アイディアは浮かばない。何しろ意欲と筋力がないのです。

 そして自分の楽しみを持つ妻がウキウキ出かけようとすると、『お前、どこへ行くんだ!』と不機嫌にあたる。これが典型的な高齢男性の姿かもしれません」

 もう1つ注目すべきは、男は狩りから帰還する“場所”が必要だということだ。

「会社なら自分のデスク、家なら書斎や“お父さんの席”。私の執務室にも“堀江教授室”とプレートが貼ってありますが、これが権威付けとやる気を誘発している(笑い)。

 行きつけのスナックなども大事。定席で『ママ、いつもの』と言って、それが出てくるのは、自分の存在が認められている証。男性には極めて重要なのです」

※女性セブン2019年1月3・10日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

各地でクマの被害が相次いでいる(秋田県上小阿仁村の住居で発見されたクマのおぞましい足跡「全自動さじなげ委員会」提供/PIXTA)
「飼い犬もズタズタに」「車に爪あとがベタベタと…」空腹グマがまたも殺人、遺体から浮かび上がった“激しい殺意”と数日前の“事故の前兆”《岩手県・クマ被害》
NEWSポストセブン
チャリティーバザーを訪問された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《4年会えていない姉への思いも?》佳子さま、8年前に小室眞子さんが着用した“お下がり”ワンピで登場 民族衣装のようなデザインにパールをプラスしてエレガントに
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。千葉のビジネス専門学校へ入学しようと考えていたという
「『彼女がめっちゃ泣いていた』と相談を…」“背が低くておとなしい”浅香真美容疑者(32)と“ハンサムな弟”バダルさん(21)の「破局トラブル」とは《刺されたネパール人の兄が証言》
約2時間30分のインタビューで語り尽くした西岡さん
フジテレビ倍率2500倍、マンション購入6.2億円…異色の経歴を持つ元アナ西岡孝洋が明かす「フジテレビの看板を下ろしたかった」本当のワケ
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。アルバイトをしながら日本語を学んでいた
「ホテルで胸を…」11歳年上の交際相手女性・浅香真美容疑者(32)に殺害されたバダルさん(21)の“魅力的な素顔”を兄が告白【千葉・ネパール人殺害】
佳子さまの“着帽なし”の装いが物議を醸している(写真/共同通信社)
「マナーとして大丈夫なのか」と心配の声も…佳子さま“脱帽ファッション”に込められた「姉の眞子さんから受け継ぐ」日本の伝統文化への思い
週刊ポスト
「秋の園遊会」に出席された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《秋の園遊会》 赤色&花の飾りで“仲良し”コーデ 愛子さまは上品なきれいめスタイル、佳子さまはガーリーなデザイン
NEWSポストセブン
医師がおすすめ!ウイルスなどの感染症対策に大切なこととは…?(写真はイメージです)
感染予防の新常識は「のどを制するものが冬を制する」 風邪の季節に注意すべき“のど乾燥スパイラル”とは?
NEWSポストセブン
(写真/アフロ)
《155億円はどこに》ルーブル美術館強盗事件、侵入から逃走まで7分間の「驚きの手口」 盗まれた品は「二度と表世界には戻ってこない」、蒐集家が発注の可能性も 
女性セブン
真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン