ライフ

東日本大震災 死者の霊と共にあろうとする切実で敬虔な思い

評論家の川本三郎氏

 2011年3月11日に発生した東日本大震災は、多くの日本人に今も深く癒えない傷を残している。忘れてはいけない「平成」の記憶として、評論家の川本三郎氏は、震災後に被災地で多く語られた幽霊談などをまとめた一冊を選んだ。

●『呼び覚まされる霊性の震災学 3.11生と死のはざまで』/東北学院大学 震災の記録プロジェクト 金菱清(ゼミナール)編/新曜社/2200円+税

 3.11のことはいまだに忘れられない。テレビで見る東北の凄まじい惨状に慄然とした。

 俳人の長谷川櫂さんは、その衝撃を俳句ではなく次々に歌にしていった。「短歌は人の心の動きを言葉にして表現することができる。ことに嘆きや怒りといった激しい情動を言葉で表わすのに向いている」から。

「津波とは波かとばかり思ひしがさにあらず横ざまにたけりくるふ瀑布」「かりそめに死者二万人などといふなかれ親あり子ありはらからあるを」「被災せし老婆の口をもれいづる『ご迷惑おかけして申しわけありません』」

 長谷川櫂『震災歌集 震災句集』(青磁社・二〇一七年)はいまもあの日の惨劇を思い出させる。

 3.11のあと宮城県の石巻と気仙沼でタクシーの運転手が幽霊を乗せたという事例があったという。

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン