国内

日本のおじさんは世界一孤独説、女性は共感も男性は反発

日本のおじさんは孤独度が世界トップレベル

「今、“孤独”が世界中で問題になっています。その中でも日本の男性、特に中高年のおじさんが孤独になりやすいのです」と、警鐘を鳴らすのはコミュニケーション・ストラテジストの岡本純子さんだ。

「海外ではすでに、孤独が人の心身の健康を害するとして、問題視されています。英国では2018年はじめ、メイ首相が“孤独担当大臣”を新設、国を挙げて対策に乗り出したことが話題になりました。

 アメリカの研究では、社会的なつながりを持たない人は、持つ人より50%も早期死亡率が高く、孤独のリスクは、1日15本の喫煙やアルコール依存症と同等、肥満の2倍もあることが判明しています」(岡本さん、以下「」内同)

 一方、日本では“孤独”への対応が遅れているという。

「社会や地域の人間関係の豊かさや結束力を表す指標、また国の豊かさを評価する繁栄指数の指標として“ソーシャルキャピタル”と呼ばれるものが注目されていますが、2017年の世界ランキングでは149か国中、日本は101位。先進国では最低でした。

 また、OECD(経済協力開発機構)の調査では、友人や同僚、他人と時間を過ごすことのない人の割合は、調査した21か国の男性の中で日本の男性がダントツ1位と、“世界一孤独”を示すデータも。孤独は健康を蝕むのです。世界屈指の長寿を誇る日本ですが、要介護のリスクと密接にリンクしていることも見逃してはいけません」

 こんな日本の現状を憂えて、岡本さんが著書『世界一孤独な日本のオジサン』(角川新書)を出版すると、多くの女性から共感された一方で、当の中高年男性からは「孤独の何が悪い!」という声が上がったという。

「男は人に弱みを見せず、寡黙がクール、孤独がカッコいい…。日本独特の文化ですね。阿吽の呼吸、以心伝心など、言葉にしなくても伝わることをよしとする日本古来の価値観も背景にあるのでしょう」

 しかし、男性が長い時間を過ごす仕事社会では、多くの人とかかわり、深い人間関係を築いているようにも見える。

「組織の枠組みの中で利益や出世を目標に生きていると、利害のない人、知らない人とつながる術はどんどん失われていきます。事実40、50代の男性で“友達がいない”という人が増えています。

 さらに肩書というプライドができれば、上へ行くほど人に頼ることもできなくなる。こんな状態で定年退職を迎えて、組織の枠組みのない世界へ出れば、男性は孤独にならざるを得ません。そしていったん孤独になると、なかなか抜け出せない。周囲がみんな敵に見えて、ひとりの方が楽になってしまうのです」

※女性セブン2019年1月3・10日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
2021年ドラ1右腕・森木大智
《悔しいし、情けないし…》高卒4年目で戦力外通告の元阪神ドラ1右腕 育成降格でかけられた「藤川球児監督からの言葉」とは
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
注目される次のキャリア(写真/共同通信社)
田久保真紀・伊東市長、次なるキャリアはまさかの「国政進出」か…メガソーラー反対の“広告塔”になる可能性
週刊ポスト
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
この笑顔はいつまで続くのか(左から吉村洋文氏、高市早苗・首相、藤田文武氏)
自民・維新連立の時限爆弾となる「橋下徹氏の鶴の一声」 高市首相とは過去に確執、維新党内では「橋下氏の影響下から独立すべき」との意見も
週刊ポスト
新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン