中国教育省(日本の文部科学省に相当)傘下の国家言語資源モニタリング・研究センターは「2018年度ネット流行語大賞ベスト10」を発表した。
1位から順に、「錦鯉(強運の持ち主)」、「杠精(へそ曲がり)」、「skr(スカァト)」、「仏系(仏さまのように物事に拘泥しない)」、「確認過眼神(一目見て分かった) 」、「官宣(公式発表)」、「C位(センター)」、「土味情話(ベタな愛のささやき)」、「皮一下(やんちゃだね)」、「燃焼我的カ路里(私のカロリーを燃やして!)」だった。
このなかには、日本由来の錦鯉や仏系、C位(センター)、カ路里(カロリー)といった日本由来の言葉が目立った。中国政府系通信社「中国新聞社(電子版)」が報じた。
1位に輝いた錦鯉は最近、中国で空前のブームになっている。錦鯉は日本でも人気だが、中国では「鯉の滝登り」の故事があるほど極めて縁起が良いとされており、ここ数年は高所得者層が増えたことから、1匹が1万元(約17万円)もする錦鯉もすぐに売れるというほどの人気だ。錦鯉の生産地として知られる河南省では年間で8000万匹の錦鯉が売れているという。
もっとも、流行語大賞のトップになったのは中国ネット通販最大手「アリババ」の決済サービス・アリペイが公式微博(ウェイボー)アカウントで、書き込みを転載して抽選に当たれば「中国錦鯉になれる」というキャンペーンを実施したことから。
「この錦鯉をシェアするだけで、これから働かなくていい」という呼び掛けにネットユーザーが反応して、300万回以上のリツイートと2億超えのアクセスを記録。このユーザーは多額の賞金と商品を獲得。このため、アリペイの「中国錦鯉」は「強運の持ち主」との意味に転じて、大盛り上がりのキャンペーンになったのだ。