興味深いのは、バージニア大の調査などの「生まれ変わり事例」には、ある共通点がみられることだ。生まれ変わりの証言者が「一度あの世に行ってから、生まれ変わった」と口を揃えている点である。
「トモ君は、日本のトモ君として生まれてくる前、『いつも明るい場所にいた』と話しました。太陽が出ている明るさではなく、『曇りなのに明るい』という感覚で、雨も雪も降らず、気温も寒さも感じなかったといいます」(大門教授)
『生まれ変わりの村』著者の森田氏は、中国の生まれ変わりの村でも似たような証言があったと語る。
「あの世については、『明るさはあるが太陽がない』『水に濡れない』という声がありました。また『歩くというよりはふわふわと飛んでいる感覚がある』『お腹が減らない人が多い』という人もいました」
◆米大学は「勝五郎」の記録を参照した
実はバージニア大の研究の発端は、江戸時代の日本人についての文献だった。
文政5年(1822年)、現在の多摩地方に住んだ「勝五郎」という少年が、生まれる前は「藤蔵」と呼ばれ、6歳の頃に病気で亡くなったことを話したという。その記録は、国学者の平田篤胤が著わした『勝五郎再生記聞』や、元大名の池田冠山によって残されている。
勝五郎について調査を行なう、日野市郷土資料館職員の北村澄江氏によると、勝五郎が語った“あの世”も、「暑くも寒くもなく、夕方のように薄暗く、お腹もすかなかった」(北村氏)という。