こうした“奇妙な一致”に科学的な説明がつくかは分からないが、生まれ変わり研究は、人間にどのような意味をもたらすのか。大門教授が語る。

「科学は命の意味や価値について答えるものではありませんが、生まれ変わりを考えることは、人間の心や、心と身体の関係を考えることにつながります。自分もいつか違う誰かに生まれ変わるという死生観を持てば、今の自分とは違う性や人種、文化などを尊重できるのではないでしょうか」

 前出・北村氏はこう語る。

「勝五郎の記録を行なった池田冠山や平田篤胤は、実はともに妻や娘など身近な人を失い、勝五郎の生まれ変わりに興味を持ちました。郷土資料館や、近くに残る勝五郎のお墓を訪れる人にも、大切な人を亡くされた方がいらっしゃいます。

 生まれ変わりが古今東西様々な形で語られ、現在もそれを望む人がいるのは、その話が悲しみに暮れる人々に希望を与える面があるからではないでしょうか」

 単なるオカルトやミステリーとしてではなく、それを通じて「生き方」や「死生観」を考える人々が、「生まれ変わりブーム」を支えているようだ。

※週刊ポスト2019年1月11日号

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