ライフ

「尿もれケア用品」をレジに持っていけない男性の苦渋

男性の尿もれの悩みには情報提供で寄り添って(イラスト/いぢちひろゆき)

 40~50代以降の約3割に尿もれがあるという(花王調べ「男女の軽失禁調査」/2017年/30~79才の1256人/男性614人、女性642人に調査。70代の男性は約半数に尿もれがあるという結果も)。

 ライナータイプから紙パンツタイプまで幅広い尿ケア用品が登場し、不安を解消する新しいカテゴリーが定着しつつある時代、男性はそんな“便宜”に乗りきれずにいるという。花王コンシューマープロダクツ 事業部門サニタリー事業部の小山隆史さんはこう語る。

「男性同士は、職場や定年退職後の集まりなどでも“その話題”には絶対に触れないと口をそろえます。その結果、尿ケア用品の存在さえ知らない人も多いのです」

 勇気を奮い、店に尿ケア用品を探しに行く人にも試練が。

「売り場でやっと探し当てても、レジに持って行けない。『若い女性店員さんだと断念せざるを得ない』という切実な声を聞くこともあります。私も商品開発のため、わざともらしてみたことがあるのですが、少量でも下着を貫通し、ズボンの目立つ場所にシミが…。その不快感たるや、男のプライドを叩き割るような屈辱を痛感しました」

 さらに、尿もれは深刻な問題も引き起こすという。

「尿もれの不安は外出を億劫にさせ、高齢者の引きこもりにもつながりかねません。ただこれは、尿ケア用品を一度でも使うと大きく変わります。今、他社商品も含めて吸収体のレベルは高く、もれた後の快適さにはみなさんが驚かれます。ハードルが高かい分、解放感と安心感は大きいようです」

 あとはどう尿ケア用品に、躊躇なくたどり着くか…。

「妻が数種類の男性用尿ケア用品を買い揃え、『好きなのを試してみて』とすすめられたという男性もいました。ただこれは友達感覚のご夫婦だから成功した例かもしれません。男性のプライドの壁は高く、娘さんや奥さんからのすすめ方には工夫が必要です。

 当社でも男性向けの尿もれの情報、対策商品の使い方などをサイトで紹介。ネット通販で商品購入も可能です。尿もれは対策がある! やはり情報源は女性なのです。ぜひ悩めるお父さんたちに伝えていただきたいです」

【プロフィール】
◆花王コンシューマープロダクツ事業部門サニタリー事業部小山隆史さん/排泄トラブルをケアする商品の開発にあたり、座談会や個別ヒアリング、電話相談受付などで消費者の生の声を聞き、切実な悩みやニーズを探っている。介護職員諸委任者研修(旧ホームヘルパー2級)も取得。

※女性セブン2019年1月17・24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

お笑いトリオ「ジャングルポケット」の元メンバー・斉藤慎二。9ヶ月ぶりにメディアに口を開いた
【休養前よりも太ってしまった】元ジャンポケ斉藤慎二を独占直撃「自分と関わるとマイナスになる…」「休みが長かった」など本音を吐露
NEWSポストセブン
約40年、地元で愛された店がラーメンをやめる(写真提供/イメージマート)
《SNS投稿やグルメサイトの弊害》あっという間に人気飲食店になったことを嘆く店の人たち 問い合わせが殺到した中華料理店は電話を撤去、行列ができたラーメン店は閉店を決めた 
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一(右/時事通信フォトより)
《TOKIO解散後の生活》国分太一「後輩と割り勘」「レシート一枚から保管」の節約志向 活動休止後も安泰の“5億円豪邸”
NEWSポストセブン
大谷翔平の新投球スタイルを分析(Getty Images)
《二刀流復活》進化する“投手・大谷翔平” 「ノーワインドアップ」と「シンカーボーラーへの移行」の新スタイルを分析
週刊ポスト
中山美穂さんをスカウトした所属事務所「ビッグアップル」創設社長の山中則男氏が思いを綴る
《中山美穂さん14歳時の「スケジュール帳」を発見》“芸能界の父”が激白 一夜にしてトップアイドルとなった「1985年の手帳」に直筆で記された家族メモ
NEWSポストセブン
結婚式は6月26日に始まり3日間行われた(時事通信フォト)
《総額72億円》Amazon創始者ジェフ・ベゾス氏の豪華結婚式、開催地ベネチア住人は「億万長者の遊び場に…」と反発も「朝食17万円、プライベートジェット100機貸し切り」で市長は歓迎
NEWSポストセブン
藤川監督(左)の直訴を金田氏(右)が存命であればどう評したか
阪神・藤川球児監督の「練習着にハーフパンツ着用」直訴で思い出される400勝投手・金田正一さんの言葉「大投手になりたければふくらはぎを冷やしたらアカン」
NEWSポストセブン
「札幌のギャグ男」公式インスタグラムより
《特別支援学級編入を決断した当事者の声》「小3の知能で止まっている」と宣告された中学1年生が抱えた“複雑な思い”「母さんを楽にしてやれるって思ったんだ」
NEWSポストセブン
STARTO ENTERTAINMENTの取締役CMOを退任することがわかった井ノ原快彦
《STARTO社取締役を退任》井ノ原快彦、国分太一の“コンプラ違反”に悲しみ…ジャニー喜多川氏の「家族葬」では一緒に司会
NEWSポストセブン
仲睦まじげにラブホテルへ入っていく鹿田松男・大阪府議(左)と女性
石破“側近”大阪府連幹部の府議、本会議前に“軽自動車で45分ラブホ不倫” 直撃には「知らん」「僕と違う」の一点張り
週刊ポスト
国民民主党から公認を取り消された山尾志桜里氏の去就が注目されている(時事通信フォト)
「国政に再挑戦する意志に変わりはございません」山尾志桜里氏が国民民主と“怒りの完全決別”《榛葉幹事長からの政策顧問就任打診は「お断り申し上げました」》
NEWSポストセブン
中居正広氏と被害女性の関係性を理解するうえで重大な“証拠”を独占入手
【スクープ入手】中居正広氏と被害女性との“事案後のメール”公開 中居氏の「嫌な思いをさせちゃったね。ごめんなさい」の返事が明らかに
週刊ポスト