そして、今や「受けるべき」と喧伝されるがん検診。その中には無駄であるばかりか、かえって害になるものまであるというから驚きだ。
2017年、部位別で日本のがん死亡者が最も多かったのが肺がん。男性の1位、女性でも2位に浮上している。この肺がんを見つける検診からもデメリットが明らかになっていると言うのは、新潟大学名誉教授で医師の岡田正彦さんだ。
「研究により、レントゲンによる肺がん検診では肺がんによる死亡率を減らせないことが立証されています。それどころか、むしろ検診を受けた群の肺がん患者が増加している。X線の被曝によるものではないかと推察されます」(岡田さん・以下同)
労働者に義務付けられた年1回の健康診断の内容に「胸部X線」検査が入っているが、それは以前、結核が流行していた名残りだと岡田さんは言う。
「今では結核は激減しており、全員に胸部X線を受けさせるメリットはない。それなのに、現在でも法律で受けることが義務付けられているのは重大な問題。検査を拒否し、解雇された人もいるというから深刻です」
事前に「受けるとがんが増える検査」と知っていたら、受けたいと思う人は誰もいないはずだ。
※女性セブン2019年1月17・24日号