韓国では食の安全を脅かすニュースが続いている。2017年8月、韓国の養鶏場の卵から、世界的に使用が禁止されている危険な殺虫剤成分が検出され、韓国内外に衝撃を与えた。2018年9月には、チョコレートケーキからサルモネラ菌が検出され2000人以上に食中毒の疑いがあると発表され、同年11月には、アイスクリームから鉄の塊が出て騒動となった。
影響は日本にも。厚労省が公表する「輸入食品等の食品衛生法違反事例」によれば、ここ2年ほどで46件(2017年度24件、2018年度は22件)の韓国輸入食品が、日本の検疫所の検査により「食品衛生法違反」となっている。
これらの違反事例で目につくのは「大腸菌群」の検出事例の多さだ。昨年は、ゆでがに、赤貝などの海産物や、チャンジャやアイスクリームなどから大腸菌群が検出された。食品問題評論家の垣田達哉さんはこう話す。
「貧富の格差が大きい韓国では、工場で働く低所得者層を中心に衛生意識が日本よりも低く、コストを抑えるため検査の手を抜くケースも多い。トイレ後の手洗いや工場の掃除が不徹底なまま、従業員が直接食品や工場設備に触れてしまうことで、大腸菌が食品に移りやすい環境が生じていると思われます」
原因はそれだけではない。食品ジャーナリストの郡司和夫さんは「海洋汚染」の影響を指摘する。
「韓国は下水処理施設やゴミ処理場が日本のように完備されておらず、いまだに人間や家畜の糞尿や汚泥を海に捨てていると聞きます。このため、韓国近海の海産物が汚染されやすいのでしょう」
実際、米食品医薬品局(FDA)は2012年に、糞尿の海洋投棄が食中毒を引き起こす可能性があるとして、韓国産のかき、ムール貝、帆立など貝類の販売を禁じ、加工処理が施されている缶詰も「食用として適切ではない」として、販売禁止の対象とした。そんな中、2017年4月、韓国の定期旅客船が、船内で発生した糞尿約2トンを済州島付近の海洋に投棄して大問題に。決して対策が施されているとはいえない。
2017年の韓国からの海産物輸入額は約850億円に達し、日本国内のスーパーや飲食店で「韓国産」の海産物を目にするケースも多い。
なかでも要注意なのは「とり貝」と指摘するのは、食品の安全に詳しいジャーナリストの小倉正行さんだ。
「回転寿司などで人気のあるとり貝は、流通するうち7割が韓国産といわれます。韓国産とり貝からは例年、大腸菌陽性で違反が検出されているので注意してほしい」
※女性セブン2019年2月14日号