芸能

ケンカ三昧の『あいのり』 ベッキーのコメントでは収拾不能

ベッキーのコメント力は?(イラスト/ヨシムラヒロム)

 異国を旅しながら恋をする様子をあたたかく見守る番組だった『あいのり』が、バイオレンスに満ちた過激紀行へと変貌していたことに衝撃を受けた、イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏。異常だと思いつつも目が離せない『あいのり』最新シリーズの視聴を続けると、スタジオでコメントするベッキー、いとうあさこ、夏菜によるトークのアンサンブルも異常であることに気づいてしまった。彼女たちの何が、旅する本編よりも奇妙なのかについて、考えた。

 * * *
 男性4人・女性3人の計7人がピンクのワゴン車(通称:ラブワゴン)に乗り、世界各地を巡りながら“真実の愛”を探す『あいのり』。2000年代前半に大ヒットした番組は、現在Netflixに場所を移して復活中。『あいのり:Asian Journey』と名義変更し、人気コンテンツとなっている。優れたコンセプトは引き継ぎつつも、時流に合わせたシーズン制にモデルチェンジ。シーズンの最終話を迎えた時点でメンバー全員が帰国。次回シーズンの撮影に合わせて、再びラブワゴンへ乗車といった構成にもなっていた。

 メンバーは継続するが、変わるのがスタジオキャスト。シーズン1、司会者はベッキー。サブキャストはオードリーの若林正恭と春日俊彰、大倉士門、河北麻友子が務めた。シーズン2、ベッキーは変わらないがサブキャストはオールチェンジ。いとうあさこ、夏菜、そして隔週替わりの男性ゲストとなった。

 こういった素人参加型番組は、本編VTR以上にスタジオトークがきも。起きた出来事に対して冷静にツッコミ、視聴者の溜飲を下げるタレントが必要不可欠だ。シーズン1は、オードリー・若林がその責務を担当していた。しかし、シーズン2に適役はいない。正しい批評眼を持つ人間がいないスタジオはヤバい。結果、『あいのり:Asian Journey』はおかしな番組へと仕上がっている。

 とは書いても、全責任がスタジオキャストにあるわけではない。本編VTRからしてバグっているのだ。そもそもの『あいのり』とは旅をしつつ、愛を育むメンバーを観察する番組だった。しかし、現在の『あいのり』は違う。メインに据えるのが1人の女性メンバーから生み出される軋轢。そのメンバーの名前を“でっぱりん”という。

 中の上のかわいさを自称する“でっぱりん”はシーズン1から出演している。1度目の旅中にトラブルを起こし、メンバー、スタッフと乱闘した戦歴を持つ。番組を暴力の世界へ引きずり込んだ。

“でっぱりん”が死闘を繰り広げるVTRを観たベッキーは「海外ロケってずっと撮られるからストレス溜まるじゃないですか。気持ちは分かる。けど、暴力はいけないと思うし」とコメント。続けて、「俺はあんな口の利き方の姿を見てしまったら……」と大倉。若林は「キレた状態になったら、1回”分かる”って言ってあげないと」と人生経験から得たトラブル解消術を述べる。

 今、書き出してみて分かる、シーズン1は良かったなぁ、本当に。暴力はいけない、暴れる女性は恋愛対象として見ることは難しい、暴れる人は落ち着かせなきゃ、といった至極まっとうなことが話されている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン