89歳の堂前輝子さんが長く店を切り盛りし、長男夫婦と長女が引き継いだが、3月19日の閉店が決まった。長女・みゆきさんの話。
「母(輝子さん)は宝くじが大好きで、優しく丁寧な応対を続けた結果、たくさんの方に来ていただき、高額当せんが続いたのだと思います。ただ、私たちの体力的な問題もあり、平成が終わるタイミングで看板を下ろすことになりました」
平成史に残る名物売り場では、まさに“大当たりのラストチャンス”となる。群馬県桐生市の小川たばこ店も宝くじファンには知られた有名店だ。
「平成25年(2013年)のグリーンジャンボで1等前後賞5億5000万円、翌年もグリーンで2等1000万円が出ました。近くにある日限(ひぎり)地蔵へ、家族総出で高額当せん祈願を続けています」
そう話す店主・小川正明さんによれば、平成3年(1991年)に区画整理で店が道路の反対側に移ってから高額当せんが続くようになったという。正明さんの母は、87歳の“開運おばあちゃん”のフミ子さん。今でも店に立つ日があるという。
前出・山口氏が「宝くじを販売するたばこ店の多い静岡県にあって、抜きんでて大当たりが多い」とするのが、鈴木たばこ店(静岡市)だ。平成27年(2015年)から2年連続でサマージャンボの1等前後賞合わせて7億円を出した。店主の鈴木章央さんはこう話す。
「宝くじ販売は祖父の代から始まりましたが、高額当せんが出るようになったのは平成に入ってから。福徳福銭の御利益がある名古屋の金(こがね)神社に参拝したり、当せんしたお客様からの謝礼で買ったラッキーベルを店頭に置いたりといった“努力”の結果もあるのかなと思っています」