東京新聞に掲載された香取慎吾のバースデー広告
「新しい地図」以降、3人はツイッターなどのアカウントで自ら発信し、ファンも直接つながることができた。また、東京新聞の個人広告欄は2017年秋に「T-Voice!」とリニューアルしている。新聞の個人広告欄が突如として大量に申し込まれることは稀になったが、それでもSMAPのメンバーの誕生日など、ファンの利用は続いているという。その一因は、東京新聞広告局からのツイッター投稿にもあるようだ。お祝いの個人広告が載った日にはその紙面を紹介しつつ祝福とお礼をツイートするほか、前述の授賞式では「中の人」が様子を実況するかのように連続ツイートも。そのたびに多数のRTをされるなどした。
このように、SMAP及び新しい地図と新聞広告には深い縁があるが、このたび、東京新聞広告局の「中の人」に冒頭で紹介した「T-Voice!」とファミリーマートのコラボ紙面について心境を語ってもらった。
「今回のファミリーマートさんの広告には、香取慎吾さんのビジュアルがあるわけでも、『炭火焼きとり』『お母さん食堂』などの商品が載っているわけでもないシンプルなモノクロ広告でした。それなのに、これだけ多くの人の心を動かし、お店に向かわれ、喜びを爆発させるとは想像を超えていました。
東京新聞の個人広告欄は、今でこそ件数は多くなくても香取さん、草なぎさん、稲垣さんの誕生日をはじめ他のファンの方々にも思い思いに活用され続けています。そうした個人と人肌のぬくもりを感じる企業とが同じ紙面で一緒になってCMキャラクターの方を広告でお祝いする構図はもちろん、企業単体でキャラクターの誕生日をお祝いする広告自体がもしかしたら初めてなのかもしれません。このような特別なことに東京新聞が関われたことがありがたいですし、個人広告欄をお使いいただける方々やファミリーマートさんに感謝の気持ちでいっぱいです。
今回のバースデー広告は、新聞広告を起点としてSNSで話題になる例が増えている中で『●●の日』やアスリートの優勝、アーティストの引退とは意味合いが違う気がします。新聞から1日の楽しい話題が生まれているだけでなく、広告主の企業とファンとの結びつきを強めますし、購買意欲も高まり、実際に多くの人がファミマさんで買ったものでお祝いする写真を投稿されていました。また香取さん自身もファミマさんにお礼のツイートをされています。本来の意味とは異なりますが、売り手よし、買い手よし、誕生日の主役よしという『三方よし』の広告だったと思います。三方の縁が、より深まった新聞広告でした」