高額療養費制度には注意すべき点もある。前出の「がん治療費.com」を運営する笠井篤氏が語る。
「保険適用外の治療法は制度の対象外となります。300万円ほどする『重粒子線・陽子線治療』や、ロボット手術の『ダヴィンチ』などは、いまだ多くのがんで保険適用外となっているため、全額自己負担になってしまいます。
高額な自費治療を受けている患者さんの間では、がん治療が長引くと“カネの切れ目が命の切れ目だ”という言葉を耳にすることもあります」
懸命な闘病の最中に貯蓄が足りなくなり、治療を中断することになってはそれまでに支払った治療費まで“無駄だった”となりかねない。だからこそ「“治療メニュー”の総自己負担額」の目安を把握することが大切なのだ。
※週刊ポスト2019年2月15・22日号